「名前から縁を感じていた」 青学大・ 常廣羽也斗選手がカープから1位指名

NewSphere編集部撮影

2023年10月26日、多くのプロ野球ファンが待ちに待った日がやってきました。

【画像】ドラフト会議で1位指名を受けた常廣羽也斗(つねひろ・はやと)選手

多くの有望選手がどこの球団から指名を受けるのか、その運命を決めるドラフト会議です。例年、支配下選手、育成選手と2種類のドラフトが同日に行われ、約4時間ほどの長丁場になります。

それでも高校・大学・社会人と全国の有望選手が夢の舞台に進むその瞬間に立ち会えることはプロ野球ファンとして楽しみな部分でもあります。

2023年、今年のドラフトでは高校生139名、大学生177名(※準硬式野球5名含む)の選手がプロ志望届を提出しており、指名されるその時を待ちます(※社会人選手は提出の必要なし)。

毎年約120名ほどの選手が指名されます。特に3軍制を敷いている読売ジャイアンツや福岡ソフトバンクホークス、埼玉西武ライオンズなどは育成選手を指名する可能性があるため、多くの選手に希望があります。

たとえ、指名がなくとも独立リーグに進む場合でも志望届が必要になるので、プロ野球選手になる道は残されています。

広島東洋カープから1位指名を受けた青学大・常廣羽也斗選手

今年のドラフト会議では特に大学生投手が豊作と言われています。

最速158キロ左腕の細野晴希選手(ほその・はるき/東洋大学)をはじめ、3年秋のリーグ戦でMVPに輝いた武内 夏暉選手(たけうち・なつき/国学院大学)、最速155キロで大谷翔平選手と同じ花巻東高校出身の西舘勇陽選手(にしだて・ゆうひ/中央大学)らが注目されています。

同じくドラフト1位指名が確実視されている選手がいます。それは常廣羽也斗選手(つねひろ・はやと/青山学院大学)で、最速155キロとストレートとフォークを組み合わせた投球が魅力です。

選手イメージとしてはメジャーリーグでも活躍した野茂英雄さんでしょうか。

常廣選手は6月に開催された全日本大学野球選手権の活躍が光りました。決勝戦では明治大学打線を9回10奪三振で完封勝利を挙げてチームを優勝に導き、自身は大会MVPにも輝きました。

大会後は日本代表にも選ばれ、秋季リーグ戦でも3勝を記録してスカウトの評価も高めていきました。

ドラフト前には広島東洋カープがいの一番に1位指名を公言しするほど、注目度が高い投手です。

例年のドラフト会議では各球団が事前に1位指名選手を公表していましたが、今年はわずか4球団のみ。こうして事前に公表することで他球団をけん制することが狙いです。

各メディアでは指名予想選手合戦が展開されていますが、本番ギリギリの戦いとなるので、これもドラフト会議の魅力の1つです。

今回、NewSphereは常廣選手が指名を待つ青山学院大学を訪れました。

本人は緊張した面持ちでその時を待っていました。

そして始まったドラフト会議。既に1位指名を公言していたカープのほかに東北楽天ゴールデンイーグルスも常廣選手にしたのです。

指名予想では競合の可能性も示唆されていましたが、「交渉権」を引き当てたのはカープでした。

くじを引き当てた新井貴浩監督からは「数年後にはチームの核となる素質を持った素晴らしい選手になると思います。

名前からして、我々カープにご縁を感じてました。同郷の森下(暢仁/もりした・まさと)先輩もいるので安心して来てください」とメッセージを送りました。

ドラフト指名確定後の会見で常廣選手はほっとした表情で「この4年間、ドラフト1位で指名されることを目標にしてきました」と話しました。

競合したものの、カープが交渉権を獲得したことについても1番、自分を評価してくれた球団でやりたいと目を輝かせていました。

カープには新井監督が話したように、故郷・大分県の先輩である森下選手がいます。

同県では森下選手以来のドラフト1位指名ということもあり、常廣選手にも大きな期待がかかります。「森下選手のようなストレートで空振りが取れる選手になりたい」と同郷の先輩に想いを馳せました。

まずは体づくりをして、1軍で投げられる投手を目指します。

そして武器のストレートとフォークで先発投手としてのマウンドを目指します。

将来、森下選手とともに大分県出身選手がローテーションに入り、カープを日本一を導く日を多くのファンが待っています。

Text by 豊川遼