カエルのメスに新事実が判明 交尾を望まない時は「死んだふり」をする

画像はイメージ(Flicker/ 著作者名

ヨーロッパアカガエルは繁殖期になると池に数十匹が集まり、1匹のメスを巡って複数のオスが激しい争いを繰り広げます。

学術団体の英国王立協会が2023年10月11日に発表した研究結果によると、メスは「死んだふり」などの戦術を使って望まない交尾を避けることがわかりました。

交尾を望まないメスのカエルは「死んだフリ」をする

発表によれば、ヨーロッパアカガエルの交尾は1匹のメスに対し複数のオスが争う形で行われます。

そんな状態での激しい交尾は、メスの体に負担がかかることもあるようです。

時にはメスの上に多くの個体が覆いかぶさって溺死させてしまう場合も。

その様子はmating ball(交尾玉)とも呼ばれています。

メスは身を守る手段を持っておらず、ただオスの交尾に応じるだけだと考えられてきました。

しかし研究者の調査で、メスのカエルが交尾を求めるオスを避けるために3つの戦術を用いていることが判明。

1つ目の戦術は「オスに掴まれたら、あお向けになって回転する」というもの。

覆いかぶさったオスが水中に沈んで溺れそうになるため、オスはメスの体を離すやり方です。

2つ目は、「オスに登られると2種類の鳴き声を発する」。

2つの鳴き声のうち低い鳴き声は、オスが他のオスを警戒する際の鳴き声を模倣したものとみられています。

3つ目は、オスに登られると約2分間にわたり手足を伸ばして横たわり、「死んだふり」をするというものでした。

オスに登られたメスの33%が死んだふりを行い、オスが興味をなくしてから再び泳ぎ始めたことが判明しました。

この研究結果に、SNSでは「面白い事実」「とても理にかなっている」などの反応が上がっています。

動物たちの行動は、時に人間にも多くの示唆をもたらしてくれますね。

Text by 川崎 謙三郎