後ろに並んでいる人の分も払う「ペイフォワード」が引き起こした感動、ジョーク
ファストフードのドライブスルーなどで、次の人の代金まで払ってあげるという行為が、アメリカなどで「ペイフォワード」と呼ばれ広がっています。
この精神を英語では「Pay it forward」と言いますが、直訳すると「先に払う」。
親切を広げていくための運動です。
支払いをしようとして、店員から「前の人が払ってくれました」と言われたら嬉しいですよね。
「それでは私も後ろの人の分を払います」という気持ちになって、善意の連鎖が起こることもあるようです。
「ペイフォワード」が引き起こした親切、感動、ジョーク
CBS Newsなどによると2020年12月、ミネソタのデイリークイーンで1人の男性が「後ろの人の分も自分の分と一緒に支払いたいのですが」と始めたペイフォワードは、大きな話題となりました。
なんと3日にわたって900人近くがペイフォワードを続けたのです。
同じく、ペイフォワードを行ったスノーボード・ジーザスさん。
2022年12月21日にTikTokに投稿した動画には、カウンターで飲み物の支払いをするジーザスさんが、後ろに並んでいた人の分までお会計を済ませる様子が映っています。
後ろに並んでいた人はジーザスさんに現金を渡そうとしますが、彼は「大丈夫。ペイフォワードをしただけだから」と言って立ち去りました。
この人は、実にさりげなくペイフォワードを実践しているようですね。
一方、ペイフォワードを実践しようとしたら、後ろの人のお会計が自分の想定を超えてしまうこともあるようです。
ブロガーのジョエル・モンディナさんはTikTokに投稿した動画で、ドライブスルーで前の人がペイフォワードをしてくれたことを明かしています。
そこで、自分も後ろの人の分を支払おうとしたジョエルさんでしたが、次の人のお会計は250ドル10セント(約3万6800円)と店員に言われました。
なんと、後ろはスクールバスだったのです。
「やっぱり、この次にします」と驚いたジョエルさん。
この動画はジョークだとしても、こんなことも起こるかもしれませんね。
また、「ペイフォワード」が感動を呼ぶことも。
ザカリー・デレニオウスキーさんは2022年12月8日、TikTokにその様子を投稿しました。
ファストフード店で、定員に「財布を持ってこなかったんだけど、パン一切れでもいいから、何かいただけませんか」と言ったザカリーさん。
すると、店員は何のためらいもなく、「何か食べたいのね。コーヒーも欲しいでしょ?私が払うから大丈夫ですよ」と言ったのです。
ザカリーさんが店員に自己紹介すると、彼女も「私はソニアです」と答えて、「誰かに親切にすることをPay it forwardと言うのよ。あなたも誰かのためにやってください」とほほ笑みます。
アフリカ系であるソニアさんは、「私の母がいつも言っていました。血の色には白も黒もないと」とコメント。
実はザカリーさん、財布を持っていました。
そのことをソニアさんに告げ、「私からあなたにペイフォワードします」と言って、辞退しようとするソニアさんに1,000ドル(約14万7000円)を渡したのです。
この動画を見た人たちからは、次のようなコメントが寄せられています。
「とても正直で愛情深い、この女性に圧倒された」
「なんという美しい魂!」
「お互い人間同士、親切にしなくては」というソニアさんの考え方こそが、まさにペイフォワードの神髄ですね。
相手から何かを受け取ることなく、善意を示すことがペイフォワードです。
この行動が見知らぬ相手にとって小さな喜びとなり、やがて広がっていけば、社会はよりよい場所になるかもしれませんね。