多発するライブ中の「物投げ行為」 ビービー・レクサは傷跡が新曲に影響

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2023年、海外アーティストに対する物投げ行為が増加しており、その問題が社会的な関心を集めています。

【画像・動画】ライブ中にものを投げられたアーティスト達

これらの出来事は、人気のバロメーターともいわれますが、リスクもあるため注目度の高いアーティストたちが直面する厳しい現実を浮き彫りにしているともいえるでしょう。

同年6月には、歌手のピンクさんがファンの「母親の遺灰」を客席から投げ込まれて困惑していました。

ラッパーのリル・ナズ・Xさんのライブ中にも、観客から「大人のおもちゃ」をステージに投げられる事件が発生。

リルさんはそれを拾い上げ「誰がこれを投げたんだ?」と問いかけ、その様子をファンが撮影した動画が、Twitterで拡散されました。

この他にも多くのアーティストたちが、不適切な物を投げつけられる経験をしています。

この様な行為は、ファンの興奮や応援の表れとして捉えられる場合もありますが、同時にアーティストの安全や精神面に心理的な不安を与えかねません。

アーティストはステージ上で最高のパフォーマンスをするために、多くの努力をしてコンサートに臨みます。

物を投げつける行為は彼らの注意力を逸らし、取り返しのつかない傷を残す可能性があるのです。

例えば人気歌手のビービー・レクサさんは、ライブ中に投げつけられたスマホが目に当たり負傷。途中退場を余儀なくされた事件は記憶に新しく、怪我の程度が心配されました。

そんな彼女は、最近新曲を発表しました。その際プロモーションビデオの中でサングラスを外した時に、痛々しい傷跡が残る目元が一瞬アップされています。

元気な姿を見せてくれましたが、怪我の回復には懸念が残るでしょう。

ファンの行動がエンターテイメントと安全のバランスを崩すことで、問題が生じます。

「アーティストに物を投げつけるなんて最低よ!」。

アデルさんがこの問題に苦言を呈したように、アーティストはファンの愛と応援を大切にしながらも、自身の安全と精神的な健康を保つ必要に迫られているのです。

一方で、より安全にファンとの絆を強化する方法も模索中。

公式なイベントやセキュリティ対策を強化した少人数でのファンミーティングを開催するなどで、ファンとの距離や相互理解を深め、物投げ行為のリスクを減らす努力をしています。

総じて、海外アーティストへの物投げ行為の横行は、今後のアーティストとファンの関係性において非常に重要な問題です。

アーティストは、自身の安全と心理的な健康を守りながら適切な対策を講じる必要に迫られています。

また、ファンもアーティストへの愛や応援を示す方法を見直し、アーティストのパフォーマンスを尊重することが求められます。モラルが欠如した一部のファンが暴走した行為だったという出来事では片付けられません。

両者の共感と尊重に基づく関係性の構築が、健全なエンターテイメント文化の発展につながるのではないでしょうか。

Text by 如月あさひ