「わずか30秒で溺れる」 子供が水難事故に遭う動画に込められた意図

身の回りで起こる事故は、怪我で済むものから命を脅かすものまで、危険度もいろいろですが、夏にはやはり水難事故に気を付けなければなりません。

海外で今、子供の水難事故に関して警鐘を鳴らしたTikTok動画が話題になっています。

投稿者はNewSphereに対し、動画を制作した思いを明かしてくれました。

子供が水難事故に遭う様子を投稿した男性

話題のTikTokerは、イギリスのルイス・サンダーソン(lewissaunderson38)さん。83万人を超えるフォロワーを持つ39歳の男性です。

実は2023年6月9日、ルイスさんが投稿した1本の動画に、世間から批判の声が寄せられました。

2歳くらいの男の子が、たった1人庭に置いてある子供用プールで遊んでいたところ、途中からプールに横たわったまま動かなくなります。

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様子を見に庭に出てきたルイスさんは、慌てて駆け寄りその子を抱き上げ、ぐったりとして動かない様子に号泣します。

「ちょっとだけなら目を離しても大丈夫」といった親の油断が悲劇を招いたわけです。

「たったの30 秒で子供は溺れてしまうんです」と訴えるその動画は、世界中で4,350 万回も再生されました。

ところが、この動画はフィクションなのです。

その男の子は実はルイスさんの甥っ子。

「動画の中で遊んでいた」という甥っ子に対し、ルイスさんはあたかも水難事故で我が子を亡くした親を迫真の演技で見せていたにすぎません。そのため、甥っ子は無傷だといいます。

しかしリアルな動画のため、一部からひんしゅくを買い、「あなたは病気だね」「見ていて気分が悪くなる」と批判が殺到したのです。

ルイスさんのプロフィールを見ると、「Actor bringing awareness(注意喚起をする俳優)」と記してあります。

そしてルイスさんは次の動画で、真剣な表情とともに「これは子供の水遊びから目を離してはならないと訴えるための動画なんです。子供1人の命がこれで救われるなら、私も自分の仕事を全うしたことになるでしょう」と訴えています。

Text by 森みどり