有名レストランや大手チェーン、食品衛生調査で悲惨な結果に……英調査

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 イギリスの外食産業で行われた食品衛生に関する調査で、大手ファストフード・チェーンや著名シェフが展開するレストランで、「0点」や「2点」など悲惨な格付け評価がされた店舗があった。

◆3つの面で小売店を評価
 イギリスの政府機関であるイギリス食品基準庁(FSA)はこのほど、食品衛生格付けスキーム(FHRS)の2017年の結果を発表した。これは、レストランやパブ、持ち帰り専用店舗、ホテル、スーパーマーケット、その他食品を扱う小売店を対象に、衛生面で評価し、5点満点で点数を付けるというものだ。0〜5までの6段階で格付けするのだが、2017年は、最高点の5点を獲得した食品事業の割合は、2015年の53%から14ポイント増の67%だったという。また、3以上を獲得した食品事業の割合は、全体の95%となった。

 格付けは、1)食品の扱い(準備、調理、再加熱、冷蔵、保管など)や2)設備の構造(清潔さ、配置、照明器具、換気、その他の設備面)、3)食品を安全に提供するために事業が行なっている管理法や記録法、という3つの点から総合的に判断する。FSAは、「どの事業でも満点を得ることができるはずだ」とし、最低でも3点を獲得しているお店での食事を推奨している。

◆ミシュラン・シェフの店が2点
 しかしこの調査結果は、イギリスで外食を頻繁にする人にとっては、ショッキングな内容だったかもしれない。というのも、イギリス初の「有名人シェフ」のレストランや、大手ファストフード・チェーンなどが2点以下を獲得するなど、ひどい結果だったためだ。

 例えば、イギリスで「有名人シェフ」と呼ばれる人物の第一号とされているマルコ・ピエール・ホワイト氏は、自身の名前を冠したレストランをいくつも展開している。FHRSの調査を受けたのはそのうち一部だけのようだが、ロンドンの大英博物館近くに店を構える「マルコ・ピエール・ホワイト・ニューヨーク・イタリアン・ロンドン・ブルームズベリー店」の格付けは、「2点」だった。細かい内容を見ると、上記3つの判断基準のうち1)は「非常に良い」となっているが、2)は「改善の必要あり」となっており、3)は「良い」となっていた。

 なお、マルコ・ピエール・ホワイト氏は1995年、33歳の時に史上最も若いシェフとして、また初のイギリス人シェフとして、ミシュランの3ツ星を獲得している。

◆日本でも人気のあの大手チェーンが0点
 一方で、私たち日本人にも馴染み深い大手ファストフード・チェーンも散々な点数を獲得している。アメリカに本社を置くサンドイッチ・チェーンのサブウェイは、健康的なサンドイッチが手軽に食べられる店として人気が高い。デイリーメールによるとイギリスには2000店舗以上あるが、そのうち2店舗が、0点というショッキングな点数を獲得したのだ。

 0点だったのは、イングランド中部のレスターにある店舗と、同じくイングランド中部ノーサンプトンシャーにある店舗だ。また、11月12日付で調べたところ、1点をつけられた店は10店舗あった。日本でも人気のチェーン店だけに(公式サイトによると現在日本国内には370店舗を展開)、消費者としてはショッキングな結果だ。ただしサブウェイの名誉のために加えると、データベースでヒットする2088店のうち、2点以下を付けられている店舗数は44店なので、割合としては2%強だ。

◆年末のパーティシーズンを前に
 このタイミングでFSAがニュースリリースを出した理由は、クリスマスが近づいているというのがありそうだ。職場のクリスマス・パーティや人の集まりなどが多く催される時期だが、食品衛生への取り組みも店選びのポイントに入れましょう、というのがFSAの狙いのようだ。

 FSAによると、これまで調査を行った店舗には、格付けされた数字を提示する緑と黒のステッカーがはっきりと見える場所に貼られているはずであり、FHRSの点数を問い合わせたら店側は答えなければいけないことになっている、という。さらに、FSAのサイト上でも格付けされた外食店の点数が検索できるようになっている。

 年末年始、海外旅行でイギリスに行く人は、食事の際にFSAのサイトでチェックしてみるといいかもしれない。なお、この評価はあくまでも食品の衛生面でのものであり、食事の味や品質を評価したものではないので注意してほしい。

Text by 松丸 さとみ