なぜイギリスで感染減少? 先月に規制解除 「集団免疫」には異議も

7月25日にロンドンで開催されたランニングイベントの様子|Victoria Jones / PA via AP

 エドモンズ氏も、ワクチンや自然感染による集団免疫が、ウイルスの拡散を防いでいるとは見ていない。多くが2回接種を終えているとはいえ、16歳~24歳の人々はほとんど接種を完了しておらず依然として感染しやすい。また2回接種した人や自然感染から回復した人のなかにもデルタ株のブレイクスルー感染が起きているはずだ。何日にもわたり感染が減少している原因は、さまざまな理由の組み合わせの可能性があるとしている。(ネイチャー)

◆考えられる原因は? 今後の状況に注目
 原因の一つと思われるのがサッカーのユーロ2020だ。多くの人がスタジアムやパブ、バー、個人宅に集まり7月中旬に感染が急増したため、現在の感染減少が顕著に見えている可能性があると指摘されている。さらにその後、国民保健サービス(NHS)の接触者追跡アプリによって多くの人が濃厚接触者となり、自己隔離を余儀なくされたため、ウイルスの拡散が抑えられたとも考えられる。(ネイチャー)

 また、エドモンズ氏とスペクター氏は、夏休みの学校閉鎖が大きな要因と見ている。学期中、生徒や教師は定期的に検査を受けるが、夏休み中は検査を受けないうえに、校内での感染も減少する。(ABC、スカイ・ニュース)

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Text by 山川 真智子