なぜイギリスで感染減少? 先月に規制解除 「集団免疫」には異議も
ワクチン接種率が高いイギリスのイングランドでは、新型コロナに関するほぼすべての規制を7月19日に解除した。デルタ株が広がるなか、感染者を増やすだけのギャンブルではないかとさえ言われていたが、7月下旬から感染者数が減少に転じている。明らかな理由も見つからず、専門家も首をかしげている。
◆予想を裏切る減少、説明は困難
イギリスの新規感染者は、7月17日には5万4674人だったのが8月2日には2万2287人となり、わずか2週間で大幅に減少した。ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(LSHTM)の疫学者、ジョン・エドモンズ氏は、デルタ株による感染の第3波のピークが過ぎたのか、それとも複雑な社会的要素による一時的な変動なのか、誰もわかっていないとしている。(総合科学誌ネイチャー)
イギリスではワクチン接種が進んでいたにもかかわらず、6月以降、感染者数が指数関数的な伸びを示していた。このままいけば1日10万人の感染もあり得るとされ、制限解除は「殺意のある政策」「疫学的愚行」などと専門家から批判されていた。(米ABC)