「世界で最も恐れ知らずな動物」ラーテルとは? 強さの秘密 決死のライオン、ヒョウ戦
もしもアフリカの大地を歩くことになったとき、最も出会いたくない動物は何だろうか? パワーの強さでは百獣の王・ライオンなどが浮かぶが、侮れない動物がもう一つある。それは、ライオン相手にも尻込みせず、ときに獲物の睾丸を引きちぎるほどの残忍さを持った哺乳類。ギネスから「最も恐れ知らず」と称され、科学雑誌『サイエンティフィック・アメリカン』では「世界でもっとも恐ろしい陸生動物」とされたイタチ科の動物、ラーテルだ。
◆小型のボディ、まるでスカンク
日本ではあまり馴染みのないラーテルだが、イタチ科に属するスカンクやラッコなどの仲間と言えばわかりやすいだろうか。スカンク同様におしりに臭いを分泌する腺を持ち、ピンチになると悪臭を放って防衛する。尻尾を含まない体長は70センチ前後なので、サイズのイメージとしてはおよそ猫の1.5倍程度だ。小さな身体に反して大型の肉食動物相手にも物怖じせず、後述する通りその凶暴さでギネスブックにも認定されている。
分布はサハラ以南のアフリカと西アジアで、温帯雨林から寒冷な山間部までさまざまな地域に順応する。国内でも名古屋市内の東山動物園で、つがいを見ることが可能だ。英語ではラーテルのほか、はちみつアナグマを意味するハニーバッジャーの名でも呼ばれている。その名前からわかるように、はちみつが大好物だ。