日本政府の無理解が仇に? 国連部会の「ゴーン氏勾留は不当」、海外はどう見たか

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 日産自動車元会長のカルロス・ゴーン氏の日本での勾留について、国連人権理事会の専門家グループが「恣意的な拘禁」にあたるという意見書を公表した。日本政府は事実誤認を主張し異議申し立てを行ったが、海外メディアの報道は日本に厳しいものとなっている。

◆「賠償が適切」専門家が日本をクロ認定
 ゴーン氏は、金融商品取引法違反、特別背任罪などで起訴されたが、保釈中の2019年12月に秘密裏に日本を出国し、日本と犯罪人引き渡し条約を締結していないレバノンに逃亡した。

 ゴーン氏の家族の弁護士は、2019年3月にゴーン氏の長期勾留が人権侵害にあたるとして、国連の恣意的拘禁作業部会(以下、作業部会)に申し立てを行っていた。今回の意見書は、それに対する作業部会の判断をまとめたものだ。外務省は作業部会について、「国連の人権理事会の決議に基づき設置された、恣意的拘禁の事例に関する調査を任務とする専門家グループ」と説明している。

 5名の独立した専門家で構成された作業部会は、4度にわたるゴーン氏の逮捕と勾留の手続きはまったく不公平と結論づけた。さらに勾留は「恣意的」で、保釈の条件についても、2度目の保釈で妻との接触を禁じるなど、並外れて厳しいものだったと指摘している。専門家たちは、日本政府に「速やかにゴーン氏の状況に対処するために必要な対策を講じる」ことを求めており、適切な対応は国際法に従い、ゴーン氏に賠償をすることだとした(AFP)。

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Text by 山川 真智子