「宇宙人は存在するのか?」2019年の謎の電波信号を追跡した結果
また、シャイフ氏らが同望遠鏡による膨大な量の既存の受信データを分析したところ、約30のケースでBLC1と酷似したパターンの電波が確認された。これらはいずれも、望遠鏡がプロキシマ・ケンタウリ以外の方角を向いている間も受信を続けていた。以上よりリッスン・プロジェクトのチームは、2019年に観測されたBLC1について、地球上の2種類の電波が互いに干渉したものであったと結論づけている。
望遠鏡が特定の角度を向いたタイミングでのみBLC1が受信された理由は定かでないが、周期的に角度を変える望遠鏡と電波の発信源の動作が偶然同調していたのではないかとシャイフ氏は考えている。動画のなかでシャイフ氏は、「なので、絶対にエイリアンではありません」と寂しげに笑う。
◆今後の探査に向け一歩前進
結果的にBLC1は地球外生命体の存在を告げるものではなかったが、今後の探査に向けてプロジェクトを前進させた。シャイフ氏は『スペース.com』に対し、ここまで大々的に信号が精査されたことは過去に例がなかったと述べている。真のシグナルか否かをより分ける正確なチェックリストを構築するうえで、有意義な成果を得られたとの自己評価だ。
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