【比較】プレイスタイル別おすすめゲーム機|ゲーミングスマホからPS5まで、選択のポイントは?

Shutterstock.com / Dean Drobot

 子供の頃に初めて買ってもらったゲーム機、そのドキドキを覚えているでしょうか? 架空の世界で繰り広げられる冒険に心を奪われ、大人になったいまでもゲームが大好きという人はきっと多いことだと思います。仲間とのにぎやかな時間を演出してくれたり、あるいは仕事がうまく行かなかった日のストレスを家でそっと受け止めてくれたりと、すっかり私たちの暮らしの一部に溶け込んでいますよね。

 いちばん身近なのはなんと言ってもスマホゲームですが、2020年11月にはPlayStation 5とXboxシリーズX/Sが相次いで発売され、このところ次世代機が盛り上がりを見せています。また、Nintendo Switch人気もいまだ衰えず、果たしてどの陣営に投資するかは悩ましいところ。そこで本稿では皆様のチョイスの参考となるよう、プレイスタイルにあったおすすめのハード機をご紹介します。

ゲーム機のタイプをおさらい

Shutterstock.com / New Africa

据え置き型

 据え置き型ゲーム機はご存知のとおり、小型の本体をテレビにつないでプレイするタイプのゲーム機です。非常にポピュラーなスタイルですので、家庭用ゲーム機と聞いて真っ先にこのタイプを思い浮かべる人も多いことでしょう。

 1983年に任天堂が発売したファミコンが火付け役となり、以降はハドソンのPCエンジン、セガのメガドライブと、激しい覇権争いが繰り広げられてきました。90年代に入って投入されたスーパーファミコン、初代PlayStation、セガサターン、ドリームキャストに親しんだ人も多いことでしょう。冒頭で挙げた次世代機を除くと、PlayStation 4、Xbox One S、そして(携帯型でもありますが)Nintendo Switchが現役の御三家といったところでしょうか。

 基本的にはお目当てのソフトが遊べる本体を選べばよいのですが、とはいえ長く遊べる本体を選ぶためには、スペック上の違いから来る各ハードの得意・不得意も知っておきたいところです。この点は後ほど詳しくご説明します。

携帯型

 大画面でじっくり楽しめる据え置き型も良いものですが、時には友人とそれぞれのゲーム機を持ち寄って集まりたいこともあるでしょう。または自室のベッドで寝転びながら気楽に遊びたいこともあるかもしれません。携帯型ゲーム機はそんなわがままな要望にも応えてくれる、柔軟なプレイスタイルが魅力です。

 古くはゲームボーイに始まり、3DS、ワンダースワン、プレーステーション・ポータブル、同ヴィータなど、さまざまな名機が生まれてきました。グラフィック性能は据え置き型には敵いませんが、比較的手頃な値段で手に入るため、カジュアルに遊べるサブ機として購入したという人も多いかもしれません。移動中や屋外でも手放したくないという人にもぴったりの選択肢です。

VR

 VRは比較的新しいカテゴリですが、このところ注目度が急上昇しています。いちばんの売りは究極の没入感といって良いでしょう。専用のゴーグル内に映し出される映像は、顔や身体などの動きに応じてリアルタイムで変化します。まるでゲーム世界を実際に駆けているかのように感じるため、圧倒的なリアリティが生まれるというわけです。手持ちのスマホを画面として利用するゴーグルや、ディスプレイがあらかじめ備わったものなど、さまざまなタイプのVRゴーグルが発売されています。

ゲーミングスマホ

 スマホで手軽に遊べるゲームはこれまでも人気でしたが、より高いゲーム性能を追求したゲーミングスマホが2019年ごろから台頭してきました。高速なSoC、遅延の少ないディスプレイ、長時間プレイできる大型のバッテリなどを搭載しています。いまスマホで熱中しているタイトルがあり、シビアな反応速度が勝敗を左右するのであれば、ゲーミングスマホへの乗り換えを検討するのも一案です。

ゲーミングPC

 ゲーミングPCとは、美しく素早い表示を実現するグラフィックカードなど、ゲームに求められる性能を高めたパソコンです。通常のパソコンでは描画処理が追いつかず、本来美しいはずのグラフィックが損なわれてしまったり、プレイ中に画面がガクついたりして、対戦の命取りになることもあり得ます。本気でパソコンゲームを極めるなら、ゲーミングPCの導入でプレイは飛躍的に快適になるでしょう。

据え置き

Nintendo Switch

Shutterstock.com / Sandor Szmutko

 Nintendo Switchは据え置き型でありながら、携帯モードや友人とテーブルを囲んでプレイできるテーブルモードにも早変わりする、新しいコンセプトのゲーム機です。カジュアルにわいわい遊びたい人にはイチオシですし、マリオやゼルダなど任天堂の人気タイトルが揃うのも魅力です。一方、最先端のグラフィックを追求する人には向かないでしょう。任天堂から2017年3月に発売されており、価格は2万9980円(税別。以下同様)となっています。

PlayStation 5

Shutterstock.com / Girts Ragelis

 PlayStation5は高精細で美麗なグラフィックが売りの次世代機です。また、独占タイトルやPCからの移植タイトルなどを含め、幅広いジャンルの人気作が豊富に揃います。Switchより値は張りますが、4Kや8Kのリアルな映像環境を求めるならPS5に軍配が上がりますし、同性能のパソコンを買うよりもかなりお買い得です。2020年11月にソニー・インタラクティブエンタテインメントから発売されており、Ultra HD Blu-rayドライブを搭載する通常モデルは4万9980円です。ドライブを省いたデジタル・エディションなら処理性能は同じで1万円ほどお手頃な価格となります。

Xbox Series X/S

Shutterstock.com / Alex Van Aken

 Xbox Series XはPlayStation 5の強力なライバルで、こちらも美麗でクリアな映像表現を得意とします。純粋な描画性能ではPS5をわずかながら上回るとする見方もあるようです。ソフトのラインナップではPS5に一歩譲りますが、マイクロソフトの看板タイトルである『Halo Infinite』など、同社のゲームに惹かれる人ならぜひ選びたいハードです。Series Xはマイクロソフトから2020年11月に発売、価格はPS5と同じ4万9980円となっています。Xboxのタイトルを遊びたいけれど4K映像や滑らかな映像美までは必要ないという人は、2万9980円で手に入る下位モデルのSeries Sを狙うのもありでしょう。

携帯型

Nintendo Switch Lite

Shutterstock.com / ESOlex

 Switchはテレビの大画面でプレイすることができますが、携帯モードだけでOKという方にはSwitch Liteがおすすめです。Switchと同様に任天堂の話題のソフトをプレイでき、重さは約275gとSwitchより約3割も軽量化しているため、いつも持ち歩きたい人にぴったりです。任天堂から2019年9月に発売されており、価格も1万9980円とお手頃です。なお、コントローラーを取り外せないことなどから、ごく一部のソフトはプレイ不可となります。

ニンテンドー3DS

Shutterstock.com / Tinxi

 ニンテンドー3DSは裸眼で立体感を得られるというユニークなコンセプトのモデルです。2011年2月に発売され、大画面の3DS LLや立体視機能を省いた2DSなど多くの派生モデルが誕生しました。惜しまれながら2020年9月に生産終了となり、3DSの最終モデルの定価は2万6000円程度となっていました。まだ販売中の店舗を見かけたら、ぜひ手に入れたいものです。

VR型

PlayStation VR

Shutterstock.com / Lutsenko_Oleksandr

 PlayStation VRは、ソニー・インタラクティブエンタテインメント純正のVRヘッドセットです。PS4またはPS5と組み合わせることで、対応ソフトをVRの究極の臨場感で楽しむことができるようになります。登場は意外に早く、2016年10月に発売開始となりました。必須のPlayStation Cameraを同梱したPlayStation VRが、3万4980円で販売されています。

Oculus Quest 2

Shutterstock.com / Roman Zaiets

 PS4/5ではなくパソコンでVRを楽しみたい場合には、フェイスブック傘下のフェイスブック・テクノロジーズが開発したOculus Quest 2が向いているでしょう。一定の性能条件を満たしたパソコンと接続すれば、対応するPCゲームを迫力のVR環境でプレイできます。初代Questよりも50%詳細な映像表示を実現したほか、使いやすさでも支持を集めています。対応コンテンツをダウンロードすれば、PCなしで単体でもVR体験が可能です。2020年10月に発売、価格は64GBモデルで3万円代後半となります。

スマホ

ASUS ROG Phone 3

Shutterstock.com / Mr.Mikla

 ROG Phoneは、ゲーミングスマホに求められる性能を余すところなく揃える人気のシリーズです。2020年モデルのROG Phone 3は、3.1GHzで動作するコアを8つ搭載、メモリは上位モデルで12GBと、最高クラスの性能を備えます。台湾のASUS(エイスース)が2020年9月に発売し、実売価格は14万円(税込)ほどとなっています。

OPPO Reno A

Shutterstock.com / Lukmanazis

 そこまで究極の性能までは求めないという人は、Reno Aが向いているでしょう。高スペックのCPUを採用するだけでなく、タッチのラグや表示のコマ落ちを抑えるなど、ゲーマーには嬉しいテクノロジーを搭載しています。中国のOPPO(オッポ)から2019年10月に登場しており、実売価格は3万円(税込)前後です。総じてコスパの良い一台として好評です。

Apple iPhone 12 Pro

Shutterstock.com / Hadrian

 iPhone派の人には、iPhone 12 Proをおすすめします。A14 Bionicチップを搭載し、iPhone 11よりも処理性能が2割ほどアップしました。メモリ搭載量はメーカー非公表ですが、iPhone 12が4GBに対して同Proは6GBという解析結果が出ており、ゲーム性能でもProの方が有利だと考えられます。iPhone 12 Proはアップルが2020年10月に発売しており、価格は128GBモデルで11万7480円(税込)となります。

PC

Dell G5ゲーミング デスクトップ

 Dell G5ゲーミング デスクトップは、価格と性能のバランスが良い一台です。最高峰を求めるならAlienwareシリーズを選ぶべきですが、4K画質を求めないのであればこちらでも十分に快適なプレイが可能です。ゲーミングPCとしてはコンパクトな筐体も評価のポイントになるでしょう。実勢価格は16万円前後となっています。

Lenovo Legion T750i

 究極の性能を狙うなら、Legion T750iのCore i9搭載モデルが視野に入ってくるでしょう。同社ゲーミングデスクトップの最上位モデルであり、パワフルなCPUとGPUの発熱を処理できるよう、簡易水冷システムを備えています。実勢価格は29万円前後です。

マウスコンピューター MB-J701SIABPZI

 ゲーミングPCは、なにもデスクトップ型だけというわけではありません。ノート型を選択すればスペースを取らず、場所を選ばすプレイできる点が大きなメリットになるでしょう。一方、価格あたりの性能ではデスクトップ型よりもやや不利にはなります。マウスコンピューターが販売するこちらのモデルは、Core i7と16GBメモリの構成で実売15万円ほどです。CPUとメモリの組み合わせはほかにも複数の候補から選択可能です。

まとめ
 ハードの種類によって、プレイできるゲームの傾向はある程度決まってきます。購入の際にはどのようなソフトをプレイしていきたいかよく考えて決めると、快適なゲーム体験が待っていることでしょう。話題の次世代機でじっくりプレイするならぜひ据え置き型を選びたいですし、一人プレイが中心ならば最新のVRに浸ってみるのも名案です。スキマ時間を活かせるゲーミングスマホや、海外タイトルが充実したPCゲームに没頭するのもよいでしょう。あとは予算の範囲内で素晴らしいスペックのモデルを見つけて、充実のゲーム生活を満喫しましょう。

Text by 青葉やまと