中国へのユーザデータ流出を危惧 アメリカでTikTok禁止法案審議へ

Michael Dwyer / AP Photo

◆揺れるアメリカのソーシャルメディア
 たとえTikTokが禁止されたとしても、アプリが使えなくなるだけで一般市民の生活に大きな影響が出るわけではない。しかし、現在はインスタグラムと同様にTikTokもただのエンターテインメントだけでなくビジネスのマーケティングツールとして使われることが多いこと、そしてTikTok社員のレイオフなどが行われるだろうこと、TikTokを生業とするインフルエンサーも多くいるであろうことから、多少なりとも経済への影響はあるだろう。またアメリカで禁止法案が可決された場合、日本やヨーロッパ諸国、また現在中国と微妙な関係にあるカナダやオーストラリアなどに波及する可能性も高い。

 最近ではツイッターのマスク氏による買収劇後の一連の騒動や、フェイスブックとインスタグラムを運営するメタの不振もあり、アメリカのソーシャルメディア企業は大揺れである。2023年はこれらのソーシャルメディア、そしてアメリカのIT企業にとっても大きな岐路になりそうだ。

Text by 川島 実佳