イーサリアムのアップデート「マージ」で何が変わるのか

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 暗号資産のプラットフォームであるイーサリアムが、コンセンサスアルゴリズムのアップデート「マージ(The Merge)」を計画している。このアップデートによって、環境負荷の原因ともなっているエネルギー消費量が最大99.95%削減されると同社は説明している。その詳細とは。

◆イーサリアムの特徴
 イーサリアムは、ロシア生まれのカナダ人起業家のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)が構想し、2015年にロンチした非中央集権型のテクノロジー・プラットフォーム。イーサリアムはイーサ(ETH)と呼ばれる独自の暗号通貨を持ち、イーサはイーサリアムにおけるさまざまな取引の通貨として使用される。

 イーサリアムのコミュニティページは、ビットコインとイーサリアムの違いについて、後者は単なる電子通貨だけでなく、プログラムを組んでさまざまなアプリケーションを構築することができるネットワークであると説明する。つまり、支払いだけでなく、さまざまなフィナンシャル・サービス、ゲーム、SNSといったアプリケーションが、イーサリアム上で構築することができる。

 イーサリアムは、コンセンサスアルゴリズムとしてビットコインと同じプルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work:PoW)という方法を採用している。PoWは、より多くのノード(ネットワーク端末)を使うコンセンサスアルゴリズムであるため、より信頼性と安全性が高いというメリットがある。一方、PoWでは、一番早くマイニング(新しいブロックチェーンを作るための計算)を成功させたものが暗号通貨という報酬を獲得できるという仕組みであるため、参加者は競争に勝つため、できるだけ多くのプロセッサを、24時間体制で走らせる。そのため、大量にエネルギーを消費するという課題がある。

Text by MAKI NAKATA