太陽が死んだ後、太陽系はどうなるのか? 6000光年先の惑星が示すもの

白色矮星を周回する木星のような惑星(アーティストによる描写)|W. M. Keck Observatory / Adam Makarenko

 ハワイの天文台から深宇宙を観測したところ、主星である恒星を失ってなお生き残っている惑星の存在が確認された。科学者たちは太陽系においても、太陽が寿命を終えた後も一部の惑星が存続し続けるのではないかと考えている。

◆6000光年彼方のガス惑星
 本研究は豪タスマニア大学で太陽系外惑星を研究するジョシュア・ブラックマン研究員らのチームが行った。その成果が学術誌『ネイチャー』に掲載されている。

 論文によるとブラックマン研究員たちは、ハワイのマウナケア山頂に位置するケック天文台にて、光学および近赤外線望遠鏡による観測を行った。結果、天の川の中央付近、地球からおよそ6000光年の位置に、木星に似たガス惑星を発見した。

 さらにこのガス惑星は、白色矮星の周囲を周回しているとみられている。白色矮星とは、いわば「死んだ」恒星の姿だ。一定の質量をもった恒星が内部の核融合に必要な水素を使い切ると、温度が低く膨張した赤色巨星を経て、恒星の進化の最終段階のひとつである「白色矮星」となる。

 これまでも恒星の進化段階に関しては知られてきたが、白小矮星の周囲で生き残っている星はほとんど観測例がなかった。今回の観測結果は、主星が死んだ後も惑星が生き残る場合があることを示した貴重な例となる。

Text by 青葉やまと