トランプ氏、TikTok禁止の大統領令 9月15日までに売却要求
◆民主・共和党議員が昨年から危険性を指摘
TikTok禁止については、トランプ氏の個人的見解というわけでは決してないようである。このアプリの危険性のついては、昨年からアメリカの国会議員が警鐘を鳴らしていた。昨年10月25日のCNN報道によると、民主党のチャック・シューマー少数派院内総務や共和党のトム・コットン上院議員は、TikTokをはじめとする中国発のアプリが国民をスパイするための機器としてや、国民に影響を及ぼすための情報作戦に利用される危険性の調査を提案していた。大統領令で禁止されるということは、そのような調査の結果から機密漏洩リスクの高さが明らかになったのかもしれない。
同記事によるとTikTokは昨年10月、「我が社のデータセンターは中国国外にあり、データは中国政府の法規外にある」「中国政府に情報の提供を求められたこともないし、求められても応じない」と声明を出しているが、もちろん口では何とでも言えるため、この発言を額面通りには受け取れないだろう。
◆米政府のデバイス上でもTikTokが禁止に
フォーブス誌によると、米上院は8月6日、TikTokを政府発行のデバイスにダウンロードすることを禁止する法案を全会一致で可決した。ここでいう政府発行のデバイスとは、連邦政府が国会議員を含む連邦政府職員に発行したデバイスのことを指す。TikTokがユーザーの情報を収集して中国政府に提供していることを警戒しての措置と思われる。
TikTokは中国発ではあるが同国市場では提供されておらず、外国市場専用であることから、外国政府が自国や自国民の情報について懸念を抱くのも頷ける。アメリカ政府は同アプリに関する疑惑の証拠を公表していないが、TikTokに代表される中国発のアプリやソフトウェアがアメリカで爆発的に広がることで、国家や国民に関する情報がデジタル上で洩れる可能性を警戒しているのは間違いなさそうだ。
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