iOS 13で大幅強化、新しいプライバシー機能を使いこなす方法

AP Photo / Tony Avelar

 アップルのiOS 13ソフトウェアアップデートには、数多くのプライバシー機能強化が含まれている。しかし、その仕組みについては、じっくりと時間をかけて理解する必要がある機能も多い。

 今回のアップデートには次のような変更が実装されている。フェイスブックやグーグルのアカウントではなく、Apple IDを使用してサードパーティーが提供するサービスにサインインすることができるようになる。さらに、位置データを取得するアプリに関するより多くの通知と警告を受け取るようになる。

 今回のソフトウェアアップデートは、9月19日から既存のiPhoneにおいて無償で利用可能になっている。20日に販売が始まった新しいiPhone 11にはすでにiOS 13がインストールされている。

                                                                                                                 

 新しいプライバシー機能の数々を最大活用する方法をここに紹介しよう。

◆Appleでサインイン
 グーグルとフェイスブックのおかげで、これまで長い間、新しいアカウントを作成したり、新しいパスワードを記憶したりしなくてもサードパーティーのサービスに容易にサインインすることができた。だが困ったことに、この2社に頼ることで両社がさらに豊富な個人情報を収集できるよう門戸を開くことになってしまう。とくにフェイスブックに関連する数多くのプライバシー流出問題を考えると、ユーザーは落胆した気持ちになることだろう。

 アップルは代替手段を提供している。グーグルやフェイスブックとは異なり、アップルはデータドリブンなターゲット広告の収益を当てにしないため、個人情報を収集する必要がない。アップルは、「アップルでサインイン」を利用する場合にはユーザーをトラッキングしないことを確約している。

 魅力的な機能の一つが、自身の電子メールアドレスを他サービスに知られないようにできる機能だ。アップルは、ユーザーが利用するすべてのサービスに対し、新しい個別のメールアドレスを発行し、サービスから送られてくるメッセージを自動的にユーザー自身のメールアカウントへ転送する。アップルでサインインする場合に自動生成されるアドレスを利用すれば、特定の企業からのメッセージ転送を無効にして迷惑メールを減らすことができる。アップルによると、同社は転送するメッセージの内容を詮索しないという。

 フェイスブックのように外部サインインの仕組みを持つアプリは、iPhone上では「アップルでサインイン」をサポートしなければならない。だが、アップルのサインインは、ユーザーの名前と電子メールアドレスをシェアする用途に限定されている。アプリがユーザーの情報をさらに必要とする場合、ユーザー自身が情報を入力する必要がある。さもなければ、いずれにせよフェイスブックやグーグルに頼らざるを得ない。

 しかし、アップルの用意してくれた仕組みから外れないようにしたい。アンドロイドやウィンドウズなど、アップル製ではないほかのデバイスでサービスを利用する場合は、ウェブブラウザからサインインする必要がある。そうなると、利便性の大半が失われることになる。

◆位置情報への多彩なアクセス許可形態
 地図、ライドシェアリングサービスなどほかの数多くのアプリが、ユーザーの位置情報を基にして動作する。しかし、近隣のドラッグストアやコーヒーショップは、ユーザーの現在位置や訪れた場所の履歴を本当に必要としているだろうか?

 この件に関しては、以前はアップルが提供した選択肢はほんの数種類に限られていた。ユーザーは継続的に位置情報をアプリと共有したり、アプリを使用するときだけ位置情報を提供したり、または、いかなる位置情報にもアプリがアクセスできないよう拒否することができた。位置情報へのアクセスの拒絶は、多くのアプリの動作を妨げる。もし気が変わったとしても、位置情報のアクセスを許可するのは困難が伴う。

 今回アップルは、アプリによる位置情報へのアクセスの一時的な許可を付与する仕組みを用意した。アプリを終了したり、iPhoneを再起動したりすると、ユーザーはもう一度アクセス許可を与える必要がある。アプリそのものと、アプリが位置情報をどう利用するのかに慣れるまでは都度アクセス許可を与えるようにし、その後永続的に位置情報へのアクセスを許可することが可能だ。

 しかし、永続的に位置情報へのアクセスを許可しても、それはアプリがバックグラウンドで稼働しているときに位置情報へのアクセスを許可するという意味ではない。アプリをしばらく利用した後、iPhoneはユーザーに対し、アプリがどこで何回位置情報を取得したのかの詳細を即座に通知する。その場合にのみ、ユーザーはアプリによるアクセスを「常に許可」する権限を付与することができる。かつて一度はその権限を付与した場合でも、後になって取り消すことも可能だ。アプリによる位置情報へのアクセスの可否を決定する前に、より多くの情報を提供してユーザーの判断材料にしようという狙いがある。

 残念ながら、位置情報が利用できない状態でアプリがどのように動作するかを確認するための「今回だけは許可しない」という選択肢は実装されていない。いったん位置情報へのアクセスを拒絶した場合は、「設定」に移動して位置情報へのアクセス許可をオンにする必要がある。

◆こっそり位置情報を得る手法
 たとえユーザーが位置情報へのアクセスを拒絶した場合でも、アプリはBluetooth接続を介して位置を推測できる場合がある。たとえば、小売店は、自店のアプリをインストールした人を検出するビーコントラッカーを設置していることがある。iOS 13では、Bluetoothにアクセスしようとするアプリは、ユーザーの同意が必要となった。しかし、これには例外があり、たとえば音楽アプリがこれまでにそのiPhoneとペアリングしたことのあるBluetoothヘッドフォンにストリーム再生を行おうとする場合は、ユーザーの同意を求めることはない。

 iOS 13用にアップデートされたアプリは、ユーザーに対しBluetooth接続が必要な理由を具体的に説明する必要がある。たとえば、シティバンクのアプリは、カードを財布から取り出すことなく営業時間後のATMロビーへの入室が可能になることを謳い文句としている。古いアプリにしか慣れていないユーザーは、きっと戸惑うことだろう。何か確認を求められてもよくわからない場合は、ただ「いいえ」をタップしておこう。

 また、アップルは、位置情報データベースと照合できる近隣のWi-Fiネットワークを特定してユーザーの位置を推測するアプリの機能を制限している。位置情報を取得しようとするアプリは、事前にユーザーからアクセス許可を得るか、または、位置情報を利用するアプリとしてアップルの基準を満たしている必要がある。これは、アプリの設定ではなくiPhoneの設定なので、Wi-Fiを介したアプリの使用に影響を与えない。

◆写真
 写真アプリを使って写真を共有する場合、画面上部にある小さな「オプション」リンクをタップして写真に埋め込まれた位置情報のメタデータを削除することができる。デフォルト動作では位置情報も共有されるため、共有するたびにメタデータの削除を行う必要がある。

 はじめに、カメラアプリの位置情報メタデータ埋め込み機能を無効にしておくことが可能だ。そのためには、iPhoneの設定で「プライバシー」を選択し、「位置情報サービス」、「カメラ」と進み、最後に「許可しない」をタップする。この機能は、以前のバージョンのiOSにも存在している。

◆ロボコールを減らす
 新しい設定によって、未知の発信者からの電話があっても呼び出し音を鳴らさないようにできる。ユーザーが最近電話を掛けた相手先の番号や連絡先のリストに登録してある番号、たとえば受信した電子メール内に記載されている番号など、デジタルアシスタントのSiriが他のアプリ内で検出した番号からの着信については、呼び出し音が鳴る。しかし、iPhoneは、それら以外のすべての電話番号からの着信はすべて迷惑電話とみなし、留守番電話に直接つなぐことが可能である。

 この機能はデフォルト設定ではオフになっている。そのため、設定から「iPhone」を選んでオンにする必要がある。また、アップルは最近の通話や不在着信についてユーザーが目を通すように促す選択肢も提案している。

By ANICK JESDANUN AP Technology Writer
Translated by ka28310 via Conyac

Text by AP