CES 2019レポート:グーグル、ディズニーのような乗り物で新製品紹介

AP Photo / Ross D. Franklin

 CES 2019の見本市が8日、開幕した。テックの巨人だけでなく中小スタートアップまでもが最新の製品・サービスを披露した。

 アップル、グーグルその他の主要企業が製品発表の場として自社イベントを活用するようになったこともあり、CESの影響力は近年衰えてきている。それでも、150ヶ国から18万を超える来場者が見込まれたこの壮大なイベントには、11の公式会場に加え、ラスベガス一帯に非公式会場が設けられた。4日間にわたる一般公開に先立ち、メディア関係者向けイベントが2日間にわたり開催された。

 以下、AP通信社の記者が現地で見聞きしたことを紹介する。

                                                                                                                 

◆音声アシスタントとリアルタイム翻訳
 グーグルは音声対応デジタルアシスタント端末「Googleアシスタント」の最新機能を紹介するため、歌いながら人間のように動くキャラクターがいるディズニーランドのようなテーマパークをCES内に誕生させた。

 グーグルが製作したのは、ディズニーランドにある「イッツ・ア・スモールワールド」のような乗り物だ。ゆっくりとした速度で動くローラーコースターのようにもみえる。ビジターが乗り込むと、話したり歌ったりするキャラクターが、グーグルのさまざまな音声アシスタント機能を紹介する仕組みだ。

 これには、グーグルのスマートホームデバイスの一部が通訳として機能する「通訳モード」が含まれる。この端末は会場近くにあるホテルのコンシェルジュデスクで実験的に使用され、消費者向けデバイスとして数週間公開される。

 音声アシスタントは会話の内容をきわめて巧みに文字へと翻訳するが、人工知能が複数の言語間でリアルタイム翻訳を行うには、まだ厄介な課題が残っている。グーグルは、ここ数年でAndroidの携帯電話やヘッドフォン向けに展開してきたリアルタイム翻訳サービスを拡張し、新機能を発表した。

 グーグルは音声アシスタントの競合であるアマゾンのAlexaを凌ごうと、昨年に続きCESで存在感を発揮していた。

 有望な次世代のリアルタイム翻訳を展示したのはグーグルだけではない。中国のAI企業「アイフライテック」も、すでに中国人旅行客の間で人気となっている通訳アプリやデバイスを披露した。少なくとも残り2社のスタートアップである、ニューヨークを本拠とする「ウェバリー・ラボ」と中国の「タイムケトル」も、インイヤー通訳機として機能するイヤフォンを宣伝していた。

◆最新の気象予報システム
 IBMは世界の気象専門家として、その副業的事業を拡大している。

 同社CEOのジニ・ロメッティ氏は8日の基調講演で、現地の気象情報をより正確に提供できる最新の予報システムを発表した。これまで提供していなかったサービスだ。

AAP Photo / John Locher

 コンピューティングの巨人である同社は、『weather.com』のほかウェザーチャンネル、ウェザーアンダーグラウンドアプリといった人気の天気予報サービスを運営しているウェザーカンパニーを傘下に持つ(テレビ番組のウェザーチャンネルネットワークは別物)。このアプリでは、米国のほか欧州や日本の一部にとどまっているが、正確な気象予報情報を継続的に提供している。

 IBMによると、最新の予報モデルは「クラウドで入手した」データに一部依存しているという。飛行中の航空機から読み込んだ数百万ものスマートフォンやセンサーの気圧情報だ。

 ウェザーカンパニーCEOのキャメロン・クレイトン氏によると、最新システムは、気象データを航空会社、エネルギー会社等に提供しているIBMの事業に役立たせるのが目的だという。一方でインドやアフリカの地方にいる小規模農家がより多くの収穫を上げられるようになるという社会的な利点もあると話している。

 ロサンゼルス市は1月頭、ウェザーチャンネルのデータ収集行為を中止するようIBMに対して訴訟を起こした。そのため、IBMは一部ユーザーに対し大気データを同社に転送してもらうよう求めるのが困難になる可能性がある。訴訟は、同社がユーザー所在地の天候情報を収集するだけでなく、移動状況を追跡し、位置情報を活用することで収集した情報から利益をあげているというものである。IBMは、ユーザーから集められた位置データの共有に不適切な取扱いはなく、自社の対応は開示しているとコメントした。

◆家庭用ロボット
 サムスンが考える未来は、祖父母を見守ることのできるロボットである。

 黒い画面に2つの目を持ち、会話ができる移動型ロボットは、ユーザーが服用する薬を追跡し、血圧を測定し、横転した際には緊急通報ができる。

AP Photo / John Locher

 販売時期については明言されなかったが、サムスンはCESでのプレゼンで、移動型ロボット「Samsung Bot Care」を登壇させた。このほかにも店舗用ロボット、テスト用ロボット、家庭で空気を清浄するロボットの開発に取り組んでいるという。

 サムスンはテレビ、電化製品その他ハイテク機器も披露したが、11月に発表をほのめかしていた折り畳み式携帯電話に関する情報はなかった。しかし、ロヨールという中国のスタートアップがこの端末の発表をした。ロヨールのスマートフォン「FlexPai」が初めて公にされたのは11月だったが、カリフォルニアを本拠とする同社にはもっと詳しい情報がある。FlexPaiは7.8インチのディスプレイで、財布のように折りたたみが可能だ。価格は1,300ドル(約14万円)からだ。

◆ソニーとファレル・ウィリアムス
 ソニーは、アンギラ島でのバケーションから戻ったばかりのミュージシャン、ファレル・ウィリアムスを迎えた。「Happy」など自身のヒット曲をひっさげてやってきたファレルは、ソニーと現在進行中のプロジェクトに関する記者会見でスターの威力を見せつけた。

「ファレルはまだ休暇中ではないかとやや気がかりだったが、ここに駆けつけてくれた」と、ソニー音楽部門ヘッドのロッド・ストリンガー氏は聴衆に語りかけた。

By MATT O’BRIEN and JOSEPH PISANI, Associated Press
Translated by Conyac

Text by AP

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