CES 2019レポート 中国EVのハンドル画面、不在でも存在感のアップル

AP Photo / John Locher

 6日、テクノロジーの見本市「CES 2019」がアメリカ・ラスベガスで華々しく開幕した。世界最大級の展示イベントが開催されたこの地でAP通信社の記者が見たこと、感じたことを以下で紹介する。

◆スマートデバイスが人気、テレビは減速
 アメリカ人が今年購入するガジェットは何だろうか。テクノロジー業界団体の見通しによると、それは豊富な家庭用「スマート」デバイスであるという。1年前と同じような話であることはあながち間違いではないが、2019年もかなり好調な販売が見込まれている。

                                                                                                                 

 全米民生技術協会(CTA)では、Amazon EchoやGoogle Home、そのほかのスマートスピーカーの全米での販売数量は前年比5%増の約3,700万台に達すると予測している。また、スマートなドアベル、サーモスタット、スイッチも同23%増の2,900万台売れるという。

 この予測が発表されたのは、ラスベガスでCES 2019見本市が一般公開される2日前の6日だった。この見本市はCTAによって運営されており、世界最大級のテクノロジーの展示会だ。

 米中貿易摩擦がさらにエスカレートした場合には、販売見通しは大きく下振れする可能性があるとCTAは注意を促している。電化製品の多くは中国で生産されているため、関税が引き上げられると消費者向けスマートフォンやテレビの製造コストが上昇し、業界にとって打撃になる可能性があるという。

 無線イヤホン、スマートウォッチ、ドローンなど他のガジェットも2019年は好調な売れ行きが予想されている。しかしながらテレビは減速し、前年比1%減の4,200万台に落ち込む。

 スポティファイなどの音楽ストリーミングや、動画ストリーミングを含めたテクノロジー商品の全米での売上高は、3.9%増の3,980億ドル(約43兆円)になるとCTAは予想している。

◆ハンドルに据え付けられたタッチスクリーン
 自動車のハンドルにスマートフォンのようなタッチスクリーンを装備する?

 これこそ、中国の電気自動車メーカー、バイトンが提唱する未来だ。同社は今年、中国で初の自動車を売り出す計画で、2020年にはアメリカ進出を予定している。

 バイトンのCEOであるカーステン・ブライトフェルド氏は6日、ラスベガスでのCES 2019見本市で最新型の運転手用インターフェースシステムを披露した。同社初となる自動車のハンドルに据え付けられたタッチスクリーン「M-Byte」は、ハンドルを回しても画面が動かない。クロスオーバーSUVでも、ダッシュボードに長いデジタルスクリーンが据え付けられている。

 バイトンの役員によると、同社はエンターテイメント・コントロールシステムが安全基準を満たせるよう、複数の国の司法当局と交渉してきたという。このシステムは、ハンドルに付いている画面を運転手が見ることができるため、ダッシュボードに据え付けられたタッチスクリーンよりも安全であるとしている。自動車の予定販売価格は4万5,000ドル(約486万円)から。

◆政府機関の一部閉鎖
 世界最大のテクノロジーカンファレンスにも、先月22日から続いている政府機関閉鎖の影響がみられた。

 CES見本市の主催団体は5日、出張の調整がつかないために政府関係者の講演が一部中止になったと発表した。

 講演が中止となったのは、連邦通信委員会の会長であるアジット・パイ氏のほか連邦取引委員会、環境保護庁、食品医薬品局、国土安全保障省などから出席を予定していた9人に及ぶ。

 CES主催者によると、イレーン・チャオ運輸長官は9日に、ドローン技術や自動運転車を推進する連邦政府の取り組みについて講演する予定となっていた。

◆アップル:CESのショールームにいる巨象
 アップルは何年も前から、CES見本市への出展を控えているが、その存在感はいまだ衰えない。

 今週、多くの企業が自社製品を披露するためにラスベガス・カンファレンスセンターに集結した。そのカンファレンスセンターを望む高層ホテル一帯で、異彩を放っているのがアップルの大きな看板広告だ。

 看板には、「What happens on your iPhone, stays on your iPhone(iPhoneで起きることはiPhoneに留まる)」と書かれている。これは、グーグルやアマゾンといったデータに貪欲な競合他社のずさんな情報管理に対する、あからさまな皮肉と言える。

 しかし、アップルもCESでシェアできるニュースがある。一部のパートナーがアップルを宣伝しているからだ。

 サムスンは6日、同社製のテレビで今春よりアップルのiTunesによる映画とテレビ番組を放映すると発表した。これはアップルにとっても一つの方向転換である。WindowsのパソコンでiTunesが使えることは例外として、これまでアップルは他社ハードウェアでのサービス提供を認めないのが通例だった。

By the Associated Press, Associated Press
Translated by Conyac

Text by AP