ヴァージンの宇宙旅行船、「宇宙」に到達 商業旅行に一歩前進
ヴァージン・ギャラクティック社の観光旅行用ロケットは、12月13日にカリフォルニアのモハーヴェ砂漠の上空50マイル以上の地点に到達した。これにより、同社の基準において宇宙空間との境界とみなされる高度を初めて達成した。
任務に従事したエンリコ・パレルモ氏によると、ロケットは滑空による降下を始める前に51マイル(82km)の高度に到達した。数分後、ロケットは滑走路に着陸した。
「宇宙に行ったぞ!」パレルモ氏は叫んだ。
この超音速飛行により、ヴァージン・ギャラクティック社は、長い間夢物語だった宇宙への商業旅行を一歩現実に近づけた。同社は、料金を支払った乗客を、プライベートジェットと同じくらいの大きさの6人乗りのロケットに乗せる計画だ。
ヴァージン・ギャラクティック社の創業者リチャード・ブランソン氏は、引き続き何度も試験飛行を行い、それらがすべて成功した場合、一般客が機会を得る前に彼自身がロケットに乗るつもりだと述べている。
同氏にとって、12月13日は人生で最高の日の一つになったという。「来年の後半には、一般の人々を宇宙に連れて行くことができると信じています」
ヴァージン・ギャラクティック社は高度50マイル(80km)の地点を宇宙との境界とみなしている。その高度がアメリカ空軍や、他のアメリカの機関によって用いられる高度だからである。かねてから用いられてきた高度62マイル(100km)という境界とは異なる。ヴァージン・ギャラクティック社のCEOであるジョージ・ホワイトサイズ氏は、最近の研究ではより低い高度が好んで用いられると指摘した。
ホワイトサイズ氏によると、試験飛行で得られたデータの見直しは年明け以降にまたがって実施されるという。「これは大きな前進であり、データを見ればどのような経路をたどったかわかります」
試験飛行の初めには、ヴァージン・スペース・シップ・ユニティ号は特別なジェット機によって4万3,000フィート(1万3,100m)近くの高度まで運ばれ、リリースされた。宇宙船のエンジンに着火されると、ロケットはあっという間に急上昇し、地上にいる観衆からは見えないところまで上がっていった。宇宙船は、音速のおよそ3倍にあたるマッハ2.9の速度に到達した。
試験飛行を担当したパイロットは、マーク・フォージャー・スタッキー氏と元NASAの宇宙飛行士であるリック・CJ・スターコウ氏の2人である。パイロットは商業宇宙飛行士として表彰されるだろう、と連邦航空局のバリー・エドワード氏は述べた。
「素晴らしいフライトでした。また飛ぶのが待ちきれません」と、スペースシャトルに4回搭乗経験のあるスターコウ氏は述べている。
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