月旅行する初の民間人にZOZO前澤氏 芸術家を招待「人類のために作品を」

AP Photo / Chris Carlson

 日本有数の億万長者である前澤友作氏は17日、月を周回する史上初の民間宇宙旅行の旅客となり、同時に、旅行に参加する全員が月から大いなる着想を得て欲しいと願い、6~8人の芸術家、建築家、デザイナー、および他の創造性あふれる人々をこの1週間にわたる宇宙旅行に招待すると語った。

 スペースXの創業者のイーロン・マスク氏は、ロサンゼルス近郊の本社で17日に開催された会見で、同社のビッグ・ファルコン・ロケットは2023年に月旅行を計画している、と発表した。

 42歳になる前澤氏は、「月の周回軌道旅行へ招待した人々には、月を間近で眺め、地球全体を見て、その稀有な体験を反映した創造的な作品を制作して欲しいと思う」と述べた。

                                                                                                                 

 前澤氏は、日本最大のファション通販サイト「ZOZOTOWN」の創業者であり、日本の長者番付に名を連ねる1人である。マスク氏は、前澤氏がこの宇宙旅行に「多額の費用」を支払う予定だと語った。しかし、正確な金額について明らかにすることを避けた。マスク氏によると、このグループ宇宙旅行の提案は、前澤氏からスペースXへ持ちかけられたものだという。

 前澤氏は、現代画家のジャン=ミシェル・バスキア氏の作品がプリントされた白いTシャツの上に青いスポーツジャケットを羽織った装いで登壇し、「私はこれほど素晴らしい経験を独り占めしたくなかった」と言った。そして、もしバスキア氏やアンディ・ウォーホル氏のような芸術家が宇宙空間を旅行したら、いったいどのような着想を得るのだろうとしばしば考えていたと語った。

「私は、人類のために素晴らしい作品が生み出されることを望んでいる」と前澤氏は言い、この宇宙旅行に誰を招待する予定なのかを即答しなかったが、記者の質問に対し、マスク氏自身を招待しようと考えていると語った。

 マスク氏は「おそらく私たちは一緒に乗り組むことになる」と微笑みながら言った。

 マスク氏によると、ビッグ・ファルコン・ロケットはまだ開発の途上であり、有人飛行に踏み出す前に何回かの無人打ち上げ試験を重ねるという。再利用可能な長さ118mのロケットは、専用の乗客用飛行カプセルを搭載している。

 今回のミッションには、月面への着陸は含まれていない。

 地球から月への距離は、平均すると382,500kmである。宇宙飛行士が最後に月を訪れたのは、NASAによるアポロ計画の期間中だ。1968年から1972年までの間に、計24名が月を目指して飛行し、その半数が月の表面に降り立った。

 NASAは独自に乗員を乗せた月への接近通過飛行を2023年ごろに実施する予定だ。また、2020年台中に、月の近くに有人のゲートウェイの建設を目指している。このゲートウェイには、月の表面、火星、およびそれ以遠の天体へ向かうための出発地点としての役割が期待されている。

 マスク氏は昨年、若干異なるスペースXのミッションについて概要を説明した。互いに相手をよく知っている2名のクライアントが、およそ1週間の月への往復飛行についてスペースXに打診してきたと言った。同氏は当時、その旅行は2018年に実現するだろうと語っていた。昨年、マスク氏はそのクライアントの名前や、彼らが払う費用について言及しなかった。

 当初、このミッションには、現在最も強力な大型ロケットのファルコンヘビーと、NASAの宇宙飛行士たちが来年初旬に国際宇宙ステーションへ向けて飛行する際に使う乗務員カプセルに似たドラゴンが使用される予定だった。

 宇宙観光の時代は、2001年にカリフォルニアの企業家であるデニス・チトー氏がロシアのロケットに乗り、国際宇宙ステーションへ飛行した時に幕を開けた。この宇宙旅行は、バージニアに本拠を置く企業、スペース・アドベンチャーズが企画したもので、同社はそれ以来、何名かの顧客を有料の宇宙飛行へ送り出している。

 史上初となるスペースXの月周回飛行のウェイティングリストにはすでに大勢の人々が名を連ねており、同社は、最終的には火星への飛行についても視野に入れている。さらにスペースXは2010年、宇宙船を打ち上げて軌道上に乗せ、その後無事に地球へ帰還させることに成功した初の民間企業となり、2012年には、物資補給の任務を負って宇宙ステーションへ飛行した初の営利企業にもなっている。

 マスク氏の成功は、自身の言動や電気自動車メーカーであるテスラの苦戦によって最近では陰りが見え始めている。

 マスク氏は最近、テスラの決算発表会の席上でアナリストを批判したり、タイの洞窟で遭難した少年たちを救出したイギリス人のダイバーを小児性愛者呼ばわりしたり、ポッドキャストに出演してインタビューを受けているときに、明らかにマリファナ入りの煙草を吸ってハイになったり、テスラを非公開化する資金の目途が立ったとツイートしたのも束の間、その計画を白紙に戻すと発表したりした。

 さらに2名の上級幹部がテスラを辞任すると発表し、17日にイギリス人ダイバーはマスク氏を相手取り訴訟を起こした。先月、マスク氏はニューヨークタイムズに対し、仕事のストレスで打ちのめされていると打ち明けた。

 17日、イギリス人ダイバーのバーノン・アンワース氏は、マスク氏を名誉棄損で訴え、75,000ドル以上の賠償金を求めている。

 マスク氏とスペースXの技術者たちは小型の潜水艦を製作し、洞窟に取り残された少年たちの救助のためにタイへ輸送した。結局、その潜水艦は使用されなかったが、アンワース氏はインタビューで、マスク氏の一連の行動を「人目を引くためのPR活動」と呼び、この潜水艦を使ったとしても、洪水で閉じ込められた少年たちの救助には役に立たなかっただろうと語った。

By CHRISTOPHER WEBER, Associated Press
Translated by ka28310 via Conyac

Text by AP

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