スマホ依存から抜け出すための5つの方法

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 天気を知りたかっただけなのに、なぜ私たちはFacebookやらInstagramやらTwitterやらをチェックして、ついでにまたFacebookをチェックしてしまうのだろうか。

 結論から言うと、スマホ依存はその設計に起因する。絶え間なく届く通知、アプリとすべての「いいね」の色設定、フォロワー、ゲーム内の景品。私たちのスマホとアプリは、一時的に気分がよくなる報酬を与えるように設計されている。故に、私たちはそれらを長時間使ってしまう――本を読んだり、その瞬間を楽しんだり、ただぼんやりしたりする時間を犠牲にして。

 顧客や専門家の懸念に柔軟に対応している企業もある。例えば、Googleの次期OS「Android P」は、就寝前の指定された時間に画面が自動的にグレーになる「Window Down」モードのほか、画面を伏せてテーブルの上に置くと自動的に「Do Not Disturb」モードになる機能を搭載している。

 しかし、このOSを搭載したAndroid端末が市場に出回るのは、早くても今年末か来年になる見込みだ。また、AppleがiPhone用に同様の機能を計画しているかは不明だ。

 そこで、現時点で私たちが実践できるスマホ依存を克服する方法を紹介しよう。

◆通知を制限する
 未読のメッセージやニュース記事やアプリの更新の数を示す、iPhoneやSamsung端末の画面上の赤い丸印。もちろん、あなたのスマホにも表示されているだろう。

「赤は、瞬時に私たちの注意を引くトリガーカラー(引き金となる色)なのです」と、科学技術との健康的で依存しない関係を促進する組織『Center for Humane Technology』は説明する。

 最新版OS「Oreo」を搭載しているAndroid端末の画面には、それよりも小さな丸印が表示される。数字は表示されず、丸の色はさまざまだが、アプリを開かせようというコンセプトは同じだ。

 iPhoneやAndroidの最新機種に表示される丸印を消すには、端末の設定で特に大事ないくつかのアプリ以外の丸印(別称“バッジ”) をオフにする。友人とのやり取りや新着ニュースの受信に使っているメッセンジャーアプリは通知が必要かもしれないが、2,346通の未読メッセージを知らせる赤い丸印が本当に必要だろうか。

 アプリごとにプッシュ通知をオフにすることも可能だ。

 Facebookでは、アプリの設定で「前回のログイン以降の友達のアップデート」など、数多くの通知カテゴリーをオフにする必要がある。カテゴリーをオフにすると、そのカテゴリーの丸印も消える。

◆定期的にデトックスする
 スマホを持たずにトイレに行ったり食事中や毎週土曜日は電源をオフにしたりなど、簡単なことでいい。スマホのない時間は脳のリセットに有効だ。

「デトックス」しなければと思わせるきっかけがほしいのなら、iPhoneやiPadを毎日どのくらい使っているかを自動的に計測するアプリ「Moment」を試してみよう。画面がロックされていないとスマホを見ていなくてもタイマーが進むという難点があるが、その結果に驚くことだろう。Android用には「QualityTime」というアプリがある。

◆スケジュールを立てる
『Hooked: How to Build Habit-Forming Products』(止められない:病みつきになる製品の作り方)の著者ニール・エヤル氏は、ランダム報酬の実験での実験用マウスをヒトと比較する。マウスは「ランダムな報酬に対して最も貪欲に」反応することが分かったと、2012年に同氏は自身のブログに投稿している。

 ソーシャルメディアアプリはランダムに報酬を与える技術の集大成だ。いつ友達申請がくるか、「いいね」がつくか、友達の新しい投稿が見られるかさえもわからない。チェックインとスクロールを延々と繰り返して報酬を得るのだ。

 FacebookやEメールやインスタントメッセージをチェックするために毎日決まった時間を確保しよう。そして、次の決められた時間まで欲求を抑えよう。

 同様に、スマホからFacebookアプリを削除して、PCだけでチェックするようにしよう。こうすることで、昼夜を問わずチェックしたいという誘惑を抑える効果が期待できる。

◆自動再生をオフにする
 たまになら楽しいかもしれないビンジウォッチング(連続ドラマなどを一気に視聴すること)も、慣習化するべきではない。YouTubeやNetflixのようなサービスでは、次の動画が自動的に再生されることがままある。設定で自動再生をオフにしよう。さもないと、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のビンジウォッチングにハマってしまうこと請け合いだ。

◆目覚まし時計を買う
 今からそう遠くない時代、私たちはスマホではなく、目覚まし時計という魔法の道具を使って起きていた。ひとつ購入しよう。

 Center for Humane Technologyは、寝室にとまではいかなくても、枕元にスマホを置かないことを提案している。スマホから放出されるブルーライトは睡眠を促進する体内のメラトニンの分泌を遅らせるので、こうすることでよく眠れるようになるだろう。ただし、寝る前にFacebookの「いいね」を見て浮かれたりニュースを読んで不安になったりすることも睡眠の妨げになり得る。

 さあ、スマホから少し遠ざかってみよう。もしかすると、布団から出る前にまずスマホをチェックしていたあなたが、目覚めるなりパートナーに「おはよう」と言うようになるかもしれない。

By BARBARA ORTUTAY, AP Technology Writer
Translated by Naoko Nozawa

Text by AP