次期Android OS、ライバルを強く意識? 開発者プレビュー版が公開
グーグルは、次期Android OSの開発者プレビュー版を公開した。同OSでは多数の重要な機能追加と改善が実行されたのだが、その内容は最大のライバルであるあのスマホの機能とデザインを強く意識したものとなっている。
◆近年有数の重要アップデート
テック系ニュースサイト『テック・クランチ』の記事は、次期Android OSで実装された主だった新仕様をまとめている。そうした新仕様を挙げると、まずアイフォーンXで採用されて一躍有名となったノッチデザインへの対応がある。また、通知表示についても改善が見られる。さらにユーザのパスワード入力を支援するオートフィル機能にも新しい仕様が追加された。その新仕様とは、本来オートフィル機能が実装されていないアプリにおけるパスワード入力時にも、パスワードを自動入力できるようになる、というもの。電池消費に関しては新しい省電力機能を追加していないが、既存機能を洗練させて節電の努力を続ける、とグーグルは述べている。
同記事は、以上のような新仕様の追加を最近数年内における有意義なAndroid OSアップデートのひとつと評している。なお、今回公開された開発者プレビュー版はアプリ開発者向けのOSであり、後日ユーザが試用してフィードバックを報告できるベータ版がリリースされる。同OSの今後のアップデート・スケジュールは、同社が5月に開催する開発者会議で明らかになるとみられている。
◆Androidスマホにもノッチが普及?
テック系ニュースサイト『アルス・テクニカ』は、ノッチデザインの対応に注目した記事を掲載した。その記事によると、Android OSがノッチデザインに対応することによって、スマホ画面上部にあるステータスバーとスマホのディスプレイの継ぎ目がなくなるので、通常のAndroidアプリも継ぎ目が見えないように動作すべきだと述べている。さらに、ゲームアプリのようなステータスバーを隠して全画面表示を行っていた「没入的」アプリについては、開発者はノッチデザインに対応するために改めて画面サイズを取得して調整することになるだろう、という。
また同記事は、毎年3月初旬頃にスペイン・バルセロナで開催される世界最大の携帯電話見本市モバイル・ワールド・コングレスで見られたトレンドがどんなものであれ、近い将来、ノッチデザインに対応したAndroidスマホを大量に見ることになるだろう、と予想している。
◆通知もライバルを意識
テック系ニュースサイト『The Verge』では、通知表示の改善を考察した記事が掲載された。この記事においても、通知表示を改善する際にアイフォーンからアイデアを借りたのではないか、と指摘している。次期Android OSにおけるメッセージアプリの通知は、送信したユーザのプロフィール画像が表示され、返信前に最初の数行が読めるようになるのだが、こうした仕様はアイフォーンを意識したものと見られる。その一方で、アイフォーンには見られない通知に関する新機能も実装された。その機能とは、メッセージに対して手短に返信する文言を送信するスマート・リプライボタンである。このボタンはメッセージの通知のなかにあるので、メッセージの本文を開かずに簡単な返信が可能となるのだ。
新しい通知表示に関して、同記事は現在の最新OSであるAndroidオレオ(Android OSには伝統的に菓子の名前が付けられる)における通知表示が煩雑であると評したうえで、次期OSの通知表示はシンプルになることに期待を寄せている。