恒星ケプラー90に8つ目の惑星、人工知能が発見 さらなる発見に期待高まる

Wendy Stenzel / AP Photo

 遠く離れた恒星系で8番目の惑星が発見され、同じく8つの惑星を持つ私たちの太陽系と並ぶ観測史上最多タイ記録となった。

 さらに驚くべきことは、この発見は人間によるものではなく、人工知能によるものであったことだ。木曜日に、NASAはグーグルと共同でこの第8惑星の発見について発表を行った(編注:原文は2017年12月15日公開)。

 この第8惑星は、ケプラー90として知られる恒星を中心に周回している。地球と同様に、この新しいケプラー90iという惑星は主星から3番目の岩石惑星だ。しかし、ケプラー90iは地球よりもはるかに主星に近い軌道を周回しており、公転周期はわずか14日だ。そのため表面温度は華氏800度(摂氏427度)という灼熱の高温となっている。さらに言うと、8つの惑星は、主星であるケプラー90から地球と太陽の距離より近い距離にすべて密集しており、それぞれの軌道上を周回している。

                                                                                                                 

 8つの惑星を持つ恒星は、これまでに私たちの太陽しか見つかっておらず、このケプラー90を主星とする第8惑星の発見は観測史上最多タイ記録となる。

 2006年に冥王星が国際天文学連合によって準惑星に降格されるまで、私たちの太陽系には9つの惑星があるとされてきた。この判定はいまだ有効である。しかし中には、太陽系には9番目の大きな惑星が存在し、はっきりとは分からないが海王星くらいの大きさの惑星Xは、太陽から非常に遠い軌道を周回しているはずだ、と考える天文学者もいる。

 研究者たちによると、ケプラー90にも9番目、もしくはそれ以上の惑星が存在している可能性がある、という。ケプラー90は地球から2,545光年の距離にある。1光年とは5.8兆マイルの距離のことだ。

 グーグルは、NASAが誇る先鋭的な惑星ハンター、ケプラー宇宙望遠鏡が収集したデータを用いて機械学習に基づくコンピュータープログラムを開発した。このプログラムは、あまりにも微弱でデータ量が膨大であるために人間が調べ上げるには何年もかかる惑星からの微小な信号に焦点を当てた。

 これまで、機械学習は太陽系外の惑星を探索するために利用されてきたが、人工ニューラルネットワークが未知の世界を発見するために用いられたのはこれが初めてである、と考えられている。

「これは実に刺激的な発見だ。惑星から届く信号が極めて微弱であるという困難な状況下においても、ニューラルネットワークを使えば惑星を識別できる、という概念実証に成功したと考えている」。カリフォルニア州マウンテンビュー市を拠点とするグーグルのシニアソフトウエアエンジニア、クリストファー・シャルー氏はそう語った。

 ケプラー計画に携わる科学者であるNASAの宇宙物理学者、ジェシー・ドットソン氏は、「次は何が発見されるのだろうかと思いを馳せると、高まる興奮を隠しきれない」という。

「どのような将来性のある知見が得られるのかは誰にもわからない」と彼女は語った。

 シャルー氏は、テキサス大学オースチン校の天文学者、アンドリュー・ヴァンデンバーグ氏とチームを組んでこのプログラムを開発した。彼らは基本的にコンピューターを、これまでケプラー宇宙望遠鏡が観測してきた惑星が恒星の前を通過するときの瞬間的でわずかな明るさの落ち込みに基づいて、今まで知られていなかった外惑星の存在を特定できるように訓練した。

 二人は、コンピューターが猫の絵と犬の絵を正確に区別できるようになるために、他の研究者が以前使用していたのと同じテクニックを用いたのだ。

 その結果、機械学習プログラムは惑星ケプラー90iの存在を特定するだけでなく、これまで天文学者が見逃していた別の恒星を周回する惑星の存在も確認した。この惑星がケプラー80gであり、恒星ケプラー80の周りを回る6番目の惑星である。

 シャルー氏とヴァンデンバーグ氏は、このプログラムを使用してケプラー宇宙望遠鏡がこれまで観察した15万個以上の星を徹底的に調査し、継続的な惑星の探索を計画している。

 今日までに全部で3,560個以上の外惑星の存在が確認されている。その3分の2は2009年に打ち上げられたケプラー宇宙望遠鏡が発見した惑星であり、他にもおよそ4,500の新発見惑星につながる候補があり、詳細な検証が実施される時を待っている。

 ヴァンデンバーグ氏は、ケプラー90やケプラー80の惑星群という遠い世界における大気を調査し、生命存在の可能性を探り出すことができるかどうかは、2019年に打ち上げを目指しているジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のような更に先進的な望遠鏡の観測性能に依るところが大きい、と語った。

 シャルー氏は、基本的な家庭用コンピューターと一般公開されているケプラー宇宙望遠鏡の観測データを使って、誰もが外惑星の探索に参加できるように必要なコードを全て公開する計画がある、と語った。特別なハードウエアは必要ない、と彼は言う。

 しかし、NASAもグーグルも、天文学者を蚊帳の外に追いやって仕事を奪おうという意図は全くない。

 シャルー氏はこの計画を、天文学者がさらに大きな影響力をもたらし、生産性を向上するためのひとつのツールと見なしている。

「コンピューターが天文学者に取って代わることは絶対にあり得ないだろう」。彼は記者たちにそう断言した。

By Marcia Dunn, Florida (AP)
Translated by Conyac

Text by AP

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