カリフォルニア州、トイレの水を飲料水にリサイクルすることを承認
◆南カリフォルニア 再生水量倍増へ
このような施設への投資は少なくとも10億ドル以上かかると推定され、資金力のある大規模な水道事業者のみ実施できる、と関係者は言う(ロイター)。
ロサンゼルス、サンディエゴ、南カリフォルニア都市圏水道局(MWD)はいずれも、廃水の再利用に向けた継続的な投資の一環として、飲料水への直接再利用を計画している。
APなどによると、6つの郡で1900万人に水を供給するMWDは2032年までに、1日あたり最大1億5000万ガロン(約5億7000万リットル)の直接および間接再生水の生産を目指し、ロサンゼルスの南、カーソン市に60億ドルの施設を建設する州最大規模のリサイクリング計画に着手する予定だ。サンディエゴ市は、2035年までに市の水供給の半分近くを再生利用することを目標に据えた。
廃水を浄化するコストは、海水を淡水化するコストの半分程度になると見られている。
現在、都市圏水道管区内では、約130万世帯の水使用量に相当する約45万エーカーフィート(約1055立方メートル)の廃水がリサイクルされている。「MWDのリサイクル・プロジェクト、ロサンゼルスのオペレーション・ネクスト、サンディエゴのピュア・ウォーター・プロジェクトが完了した暁には、南カリフォルニアで生産・飲用される再生水の量は倍増しているでしょう」とMWDの執行役員でアシスタント・ゼネラル・マネージャーのデベン・ウパディヤイ氏は言う。(ロサンゼルス・タイムズ)
パシフィック・インスティテュートの共同設立者であり名誉会長であるピーター・グリック氏は、現在使用されている水リサイクル技術は、基本的に国際宇宙ステーションの宇宙飛行士が使用するアプローチと同じだ、と指摘した。「トイレから水道へ、ではなく、トイレから信じられないほど高純度の水を生成する洗練されたシステムへ、と表現した方がいい」と言う。(同)
水資源管理委員会のホアキン・エスキベル委員長は、ほとんどの廃水処理場は、処理した水を河川や小川に戻し、その川や小川が隣町まで流れて、そこで飲めるようにしていると指摘。つまり、「廃水処理場から下流で飲料水を取水している人々は、すでにトイレからの水を飲んでいるのです」と言う。「すべての水はリサイクルされています。この水がきれいな水だと私たちが信頼できるのも、ここにある基準、そして、科学、さらに重要なのが、モニタリングのおかげなのです」(AP)
水資源管理員会が承認した規則は、最終段階として州行政法制局の承認が必要となり、今年承認される見通しだ。
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