洪水の後は疫病、食糧難……二次三次被害に苦しむ国々 世界で異常気象頻発

洪水に襲われたパキスタン・バローチスターン州の町(8月29日)|Zahid Hussain / AP Photo

 気候変動が原因となり干ばつや洪水などの天災が年々増えている。それだけでも大きな被害を生むが、天災はさらに疫病の流行や飢饉の要因となることも多い。

◆人食いバクテリア感染が増えたフロリダ
 フロリダ州を9月末に襲ったハリケーン「イアン」は102人の死者を出した。だが、被害はそれに留まらず、イアンの通過後、一部の郡では「人食いバクテリア」と呼ばれるビブリオ・バルニフィカスによる感染症が増えている。人食いバクテリアは温かい汽水に生息する細菌で、経口のほか、皮膚の傷口から、ヒトに感染する。(Slate.fr

 感染しても、吐き気や下痢、発熱など軽い症状で済むこともあるが、時に血液感染などを引き起こし、四肢の切断や死に至ることさえある。アメリカでは一年におよそ8万人が感染し、そのうち約100人が亡くなっている。(同)

 フロリダ州の保健省によれば、同州における2021年の感染例は34、死者は10名だったのに対し、今年はすでに66の症例と13人の死亡を記録している。保健省はイアンによる洪水・浸水にその原因があると見ており、外傷を持つ人は洪水や浸水による水との接触を避けるように注意喚起している。

Text by 冠ゆき