永久凍土解け、火事増加……シベリア異常気象、38度記録も

Olga Burtseva via AP

 ロシアのベルホヤンスクは北緯67度に位置し、1892年2月にはマイナス68度を記録した、世界で最も冬の寒さの厳しい町の一つだ。通常いまの時期の気温は20度ほどだが、6月20日に38度を記録した。シベリアでは広範囲にわたる熱波の影響で高温が数ヶ月続いており、気温上昇が事故や災害につながっている。

◆暑いシベリア、異常気象も続く
 以前から研究者の間では、強い熱波のような極端な状態が今後より増えるだろうと見られていた。デンマーク気象研究所のラス・モットラム氏は、予測は思ったより早く現実になったと述べている。米国立雪氷データセンターのワット・マイヤー氏は、今回のような極端な高温は、まさに気候変動が細工した結果とも言えると述べている(ナショナルジオグラフィック)。

 北極圏は世界のほかの場所の2倍の速さで暖かくなっている。高緯度北極の温度の基準値は過去100年ほどで2~3度上昇しており、そのうち0.75度の上昇は、過去10年の間に起こっている。これまでの気温の上昇がさらに熱波を強めることになり、夏の平均気温は上がり、異常気象も増えることになる(ナショナルジオグラフィック)。世界経済フォーラム(WEF)によれば、シベリアでは6月に降雪、竜巻、洪水といった災害が起きた。村が水に浸かり、家は破壊され、橋が流されるなどの被害に見舞われ、各地で緊急事態宣言も出されている。

Text by 山川 真智子