非常時に防波堤に変形、エコでスマートな日よけ 米大が開発

Mauricio Loyola

 美しい海に囲まれ、その幸に恵まれた私たちの国、日本。しかし同時に、台風による高波や津波の危険とも隣りあわせだ。海の水から私たちの命と生活をどのように守るかは、日本の重要な課題である。そんななか、米プリンストン大学がエコでスマートな防波堤の開発を進めている。通常は海岸に伸びる遊歩道に沿って建つ日よけ傘が、高潮になると傾いて防波堤になるのだ。

◆魅力的なパラソルが防波堤に
 いま、日本をはじめ世界では、海の水による被害をできるだけ少なくしようと、海岸堤防や防潮堤が建設されているが、海岸堤防はデザインが美しくなかったり、水辺へのアクサスを制限してしまったりすることも多い。そこで研究チームは、この一風変わったパラソルの設計開発を行っている。

 このパラソルは鉄筋コンクリート製で湾曲しており、幅16m、厚さはわずか10cm。高さ304cmで一辺が50cmの四角柱にヒンジで支えられている。パラソルの湾曲構造は、いまから60年ほど前に薄いコンクリート製の屋根を持つ建物を数多く設計したスペイン生まれの建築家フェリックス・キャンデラ氏の作品からインスピレーションを受けたという。キャンデラ氏の代表作には、スポーツ・パレス(メキシコ・オリンピック屋内競技場)がある。

Mauricio Loyola

 研究者らは、アメリカ東海岸における過去100年以上のハリケーンの高潮データをもとに、一例を除く一番高い数値である約5.5mの高潮をモデル化し、パラソル形状と構造強度を分析して、ヒンジの機能をテストした。その結果、地表から約12mの高さまで水が来ても、パラソルの安定が保たれることがわかった。

Text by クリューガー量子

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