オバマ×来日 海外の反応まとめ

 オバマ大統領の来日に合わせて、中国や韓国の動きが慌ただしくなってきた。

 オバマ米大統領は、4月24日と25日に、国賓として日本を訪問することが決まった。国賓として米大統領が日本を訪れるのは、1996年4月当時のクリントン大統領以来18年ぶりだ。

 オバマ大統領が今回来日をする目的の一つと考えられているものに、集団的自衛権の行使容認に関する交渉がある。海外のメディアは、対中国への配慮から、オバマ大統領の慎重姿勢を想定しているようだ。

 安倍政権にとって、様々な問題を解決へと導くうえで、今回のオバマ大統領の来日は正念場であると認識している。韓国メディアは、オバマ大統領の来日を大きく歓迎している日本の姿を、皮肉を込めて批判している。

 以下、昨今の主要な海外の反応をまとめる。

1)オバマ米大統領の「尖閣に安保適用」明言は、予想外…海外紙は対中配慮で慎重姿勢を想定

 読売新聞は、オバマ大統領は、集団的自衛権の行使容認に向けた安倍首相の取組みについて、尖閣諸島について「日米安全保障条約第5条の適用範囲内にある」と明言したことを報道した。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、軍事費を拡大している中国に対抗できるよう、日本はより軍事強化すべき、というのが米側の主張とのことである。さらにアメリカだけでなく、中国と領土問題を抱えるアジア各国も、日米が安全保障面で結束を強めることは大賛成だ、と同紙は報じている。

 しかし、日本に遺恨を持つ中国と韓国は、こうした動きは軍拡だ、という疑念につながっている、とウォール紙は述べる。

(総じて海外紙は、米国は中国への配慮から、日本に対して慎重では、という論調である。しかし、読売新聞へのインタビューで、オバマ大統領は、尖閣諸島が日本の施政下にある(日米安保条約の適用範囲にある)ことを明言した。集団的自衛権に関して、オバマ大統領がどのような声明を発表するのか、注目される。)
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2)韓国紙、日本が“執拗な贈り物外交”を展開と揶揄 オバマ来日めぐり

 韓国の中央日報は、オバマ大統領の訪日について、当初は2日間の予定だったが、「日本の執拗な“贈り物”外交の賜物」で2泊3日の日程になった、と揶揄する。

 オバマ大統領が日本の滞在期間を延長した一方で韓国には1泊だけ滞在するということで、韓国国内からは「日本にやられた」という声も上がっている、と朝鮮日報が報じている。これに対し、韓国政府は韓米関係の本質とは無関係だとの見解を示しているようだ。

(日本インタビュー新聞社は、オバマ大統領の訪日によって、冷え込んでいる日中、日韓の関係が修復されるかどうかに注目している。)
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3)オバマ来日控え、安倍政権の“正念場” 集団的自衛権、対中韓…日本の対応に海外メディア注目

 オバマ大統領の訪日・訪韓が控えており、領土問題や歴史認識問題で緊張が続く東アジア情勢のターニングポイントになる、という見方が強まっている。

 日米関係においては、安倍政権が目指す集団的自衛権の行使に向けた動きに着目する。アメリカはここ数十年来、日本に集団的自衛権の行使を容認するよう迫ってきた。安倍政権になってようやくその動きが前進したが、昨今は鈍ってきているとフォーブス誌は指摘する。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)も、オバマ訪日と絡めた記事の中で、2年目を迎えた安倍政権は、最大の正念場を迎えると見ている。
 
(ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、アベノミクスの失速や、近隣諸国の反日姿勢激化などを要因に挙げ、集団的自衛権容認への動きが止まったことも、安倍政権の大きな試練だと捉えている。)
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Text by NewSphere 編集部