雪は一面血の海に… ホッキョクグマに襲われた環境活動家が死亡

画像はイメージ( Eric Savage / Flickr

真っ白な体に愛らしい表情のホッキョクグマは、動物園でも大人気。

【動画】体の一部は食べられていた… ホッキョクグマに襲われた環境活動家

ところがそんなホッキョクグマに襲われ命を落とした男性の話題を、イギリスメディア「BBC」および動物による襲撃を集めたYouTubeチャンネル「Final Affliction」が伝えました。

環境活動家がホッキョクグマに襲われ死亡

被害に遭ったのは、オランダで環境保護の活動をしているヨハン・クーテさんです。

彼は地球上で最も寒い地として知られるノルウェー北極圏のスピッツベルゲン島で、保護活動や研究グループが利用するキャンプ場のスタッフとして働いていました。

襲撃前日の2020年8月27日も、仕事を終え住まいのテントに戻り、いつものように寝袋に入って休んでいたヨハンさん。

ところが翌朝4時頃、1頭のホッキョクグマが現れると、眠っているヨハンさんのテントを一撃で破壊し、寝袋ごと引きずり出したのです。

彼は恐怖で叫び声をあげるも、そんなことは気に留めず、ホッキョクグマは寝袋をどんどん引き裂いていきます。

ついにヨハンさんの体まで到達すると、ホッキョクグマは引っ掻いたり噛みついたりし、雪で覆われた真っ白な大地は一面血の海に。

その後も容赦ない襲撃が続くも、キャンプ場で一緒に寝泊まりしていた職員やグループの人たちがライフル銃でホッキョクグマを射殺しました。

ヨハンさんの容態を確認した時にはすでに遅く、体の一部が食べられてしまっていたそうです。

体高2m75cm、体重は400kgを超えると言われているホッキョクグマ。

近年では地球温暖化の影響で海上の氷が解け食料不足になったことで、ホッキョクグマが人間の居住地に現れるようになりました。

民家の敷地内に侵入したりゴミ処理場を漁ったりすると同時に、ホッキョクグマによる襲撃が年々増加。

しかし1973年から保護種に指定されており、射殺は自己防衛の場合にのみ許可されているといいます。

この悲痛な事故に対し、「ホッキョクグマによる襲撃は稀だと聞くけど、そうなった際はかなり狂暴らしい」「体もかなり大きいし、人間なんてひとたまりもない」「恐ろしいけれど、住まいや食料がないのだからかわいそう」「命懸けの土地なのにテントで生活することに驚いた」「そんな所で研究に努めている方たち、本当に尊敬します」といった声が寄せられました。

Text by 浅田 一