噛まれて大怪我を負ったのに… クマを射殺した猟師に懲役4ヶ月と賠償金支払い命令

画像はイメージ(Amit Patel / Flickr

日本だけでなく世界各国でもクマによる被害が相次いでいます。

【画像】脚に怪我をして大量出血をしても… クマを駆除した猟師に有罪判決

クマを駆除した猟師に有罪判決

ところがフランスでは、クマを駆除した罪で裁判沙汰になってしまった男性が世間の関心を集めています。

イギリスメディア「The Guardian」によると、罪に問われているのは81歳のハンター、アンドレ・リヴェスさんです。

彼は2021年11月20日、フランスとスペインを隔てるピレネー山脈でイノシシ狩りをしていたところ、2頭の子グマに遭遇しました。

間もなくして背後からヒグマの母親が現れると、一瞬にしてアンドレさんに突進。

噛みつき数メートル引きずり回したといいます。

脚にケガを負い大量出血するなか、アンドレさんは持っていたライフル銃で母グマを射殺。

仲間のハンターが即座に通報と止血処置を行い、アンドレさんはドクターヘリで病院へと搬送され一命を取り留めました。

ところがその後、彼はヒグマを射殺した罪で裁判にかけられる事態に発展。

この地域ではヒグマが絶滅危惧種に認定されているほか、警察の捜査により許可された狩猟区域から400m離れた場所で射殺されていたことも分かり、自己防衛を訴える人々とクマ擁護派の間で激しい論争が繰り広げられました。

そして2025年5月、ナイジェリアのメディア「PUNCH」によるとアンドレさんは、執行猶予付き懲役4ヶ月の有罪判決が下されたほか、環境保護団体に対し賠償金を支払うよう命じられたということです。

この一件に対し、世間からは「黙ってクマに食べられろということ?」「複雑なケースだ」「人間より野生動物の方が大事なの?」「狩猟区域からかなり離れていたことも要因だね」「自然保護の意識が高いフランスらしい問題だ」といった意見が寄せられています。

Text by 春野 なつ