インドネシアのYouTuberが「コンクリート詰め殺人事件」被害者の写真を飾り炎上 日本語でも謝罪

画像はイメージ(Nesnad /Wikipedia Commons

インドネシアの人気YouTuberであるNessie Judge氏が、自身のチャンネルで投稿したハロウィン動画において、日本で1988年に発生した「女子高生コンクリート詰め殺人事件」の被害者女性とされる写真を背景に使用したことが判明し、SNS上で大きな批判が巻き起こりました。

【動画】「女子高生コンクリート詰め殺人事件」写真を使い炎上したインドネシアのYouTuber

「女子高生コンクリート詰め殺人事件」写真を使ったYouTuber

問題の動画では、黒目線の加工が施された被害者の写真が、韓国のK-POPアイドルを招いたセットの壁に「装飾」として使われていました。

この演出は、YouTubeチャンネル内の長寿企画「NERORR」シリーズの一環として行われたものであり、Nessie氏はその意図について複数の釈明投稿をX(旧Twitter)上で行いました。

Nessie氏はまず、当該セットがハロウィン用ではなく、8年間続く「NERORR」企画の象徴として使われたものであり、事件の写真は「最もリクエストが多かったセグメントの象徴」としてオマージュ的に使用したと説明。

フレーム内の写真は、事件の被害者を追悼し、記憶にとどめることが目的であり、故人への敬意を込めた意図であったと述べています。

また、写真には目線を入れており、動画サムネイルなどと同様に、直接的な特定を避ける配慮をしていたとしています。

しかしながら、視聴者やSNSユーザーからは「不適切」「無神経」などの厳しい声が相次ぎ、Nessie氏は後日、複数回にわたり英語および日本語で改めて謝罪を表明しました。

英語の投稿では、「追悼のつもりだったが、軽率で無神経だった」「被害者とその遺族、視聴者すべてに謝罪する」と述べ、動画はすでに削除済みであり、チーム全体で反省し制作プロセスの見直しを行うことを約束しています。

また、日本語でも「今回の判断力の著しい欠如」と認め、「深く理解し、心よりお詫び申し上げます」と記しました。

加えて、「今後の制作では今回の出来事を忘れず改善に努める」としており、問題の重大性を受け止めた姿勢を見せています。

この一連の騒動により、Nessie氏は世界中の視聴者に向けて、文化的背景や被害者の尊厳に対する配慮の重要性を再認識させる結果となりました。

Text by 浅田 一