クマに襲われ重傷を負った女性 「クマに非はない」と駆除を要求せず

画像はイメージ(Nigel Swales / Wikipedia Commons

日本では毎日のようにクマによる被害が報じられているなか、世界でも同様のケースが増加し大きな問題となっています。

【動画】「たまたまクマの家族の居場所に入ってしまった」襲われるも駆除を求めなかった女性

クマに襲われた女性

カナダメディア「CTV News」によると2025年8月、オンタリオ州スーセントマリーで、2人の女性がクマに襲われる事故が発生しました。

ある日の午後5時頃、市内に暮らすクリスタル・マクドナルドさんとエイジア・ウィルソンさんは、それぞれの愛犬ミアとローズバッドを連れて山のトレイルを散歩していました。

ところが突然、彼女たちの目の前に数頭の子グマを連れた母グマが現れたのです。

走って逃げようとするも、それは逆効果だと思い直したクリスタルさんたち。

戸惑っているうちにエイジアさんはクマに背中を噛まれ、そのまま押し倒されてしまいました。

その後クリスタルさんにも突進し、彼女は手首から地面に倒れたうえ、頭を強く打ち付けてしまいます。

さらにクマは彼女の腕にも噛みつき攻撃を続けるも、犬たちが吠えてクマを追い払うことに成功。

2人は自力で下山し、車で市内の病院へと向かいました。

クリスタルさんは腕の骨2本を折るなどの重傷を負い、エイジアさんは複数のひっかき傷と咬傷を負いましたが、幸いにも命に別状はありませんでした。

大ケガを負ったにも関わらず、2人は「クマに非はない。たまたま私たちがクマの家族の居場所に入ってしまったことによる母性本能の行為だから」と訴え、駆除は行われなかったということです。

今回の事故に対し、世間からは「女性たちも犬たちも無事でよかった」「早く回復しますように」など彼女たちを案じる声のほか、「人間と同じで、クマだって守るべき存在があるのよね」「2人の訴えが素晴らしい」「動物だって人間と同じく生きる権利はある」「彼女たちはとても優しいヒーロー」といった称賛が相次いで寄せられました。

Text by 春野 なつ