【3選】世界で見つかった貴重な遺骨

画像はイメージ(fusion-of-horizons / Flickr

世界各地で新たな古代人骨や遺体が発見され、歴史や文化を見直す重要な成果として注目されています。

【動画】「歴史的発見」世界で発掘された遺骨

最新のDNA解析や保存状態の良さから、当時の社会や人々の生活像を知る貴重な手がかりが次々と明らかになっています。

ハンガリーで見つかった女性の遺骨

学術誌『PLOS ONE』によると、ハンガリー中部のセーケシュフェヘールヴァールにある10世紀の墓地では、武器とともに埋葬された女性の遺骨が発見されました。

当初は男性戦士の墓と考えられていましたが、DNA解析の結果、女性であることが判明しました。

剣や弓矢などの武器に加え、装飾品も一緒に副葬されており、遺骨には武器使用や騎乗の痕跡が見られました。

研究者は、この女性が実際に戦闘に関わっていた可能性が高いとし、「当時の社会構造が想像以上に複雑だったことを示す」とコメントしています。

ウィーンでローマ時代の遺骨を発見

ウィーン博物館公式サイト「Wien Museum Magazin」によると、ローマ時代の集団墓地とみられる場所から少なくとも129体、破片を含めると150体を超える人骨が発見されました。

遺骨はすべて20〜30歳の成人男性で、剣や槍による外傷が確認されました。

処刑ではなく戦闘による死と考えられ、ローマ兵だけでなくゲルマン系戦士も含まれていた可能性があります。

専門家は「ローマ時代の兵士の遺体がこれほど大量に見つかるのは極めて異例」と指摘しており、今後はDNAや同位体分析による詳細な調査が計画されています。

ペルーで5000年前の遺体を発見

さらに、ペルー文化省の声明によると、リマ近郊バランカ県のカラル文明の古代漁村から約5000年前の女性の遺体が発掘されました。

女性は膝を胸に寄せた屈葬の姿勢で発見され、竹の織物で丁寧に包まれていました。

頭部には繊維の頭飾りが残され、遺体の周囲にはサツマイモや機織り道具、アマゾン原産の貝殻や鳥類の装飾品などが副葬されていました。

これらの出土品は広範な交流ネットワークを示しており、埋葬方法も当時の上流階級に特有の「パイハン様式」だったとされています。

専門家は「ペルー先土器時代末期の文化と社会構造を理解する貴重な手がかりになる」としています。

戦士の存在やローマ時代の戦闘の実態、そして南米最古級文明の社会構造など、歴史を塗り替える発見が次々と報告されており、今後の研究によってさらに新たな古代史の断片が浮かび上がることが期待されています。

Text by 浅田 一