「こんなにしてあげてるのに…」が危険?  見返りを求める恋愛の落とし穴

画像はイメージ(Kevin Dooley / Flickr

「自分はこんなにしてあげているのに、どうして何もしてくれないんだろう?」

【画像】愛情に損得を持ち込むと冷めやすい? ドイツの7300組を分析した最新研究

恋人や配偶者に、こんな風に感じたことがある人も多いでしょう。

しかしその「見返り」こそが、関係が良好なものになるかならないかの決め手であることが判明しました。

見返りが人間関係を左右?

サイエンスメディア「PsyPost」によると、カナダ・トロント大学の研究チームがドイツのカップル約7,300組を13年間に渡り調べたところ、パートナーが好意や犠牲に対して何らかの見返りを期待した場合、関係への満足度は時間の経過とともに低下する傾向があることが分かりました。

関係の継続には思いやりが大切になりますが、それには「共同志向と交換志向」の2パターンがあるといいます。

直接的な見返りを期待せずにパートナーのニーズに応えることが共同志向である一方、交換志向は「これだけやってあげた」という風に気持ちや犠牲に対し点数をつける場合です。

多くのカップルは、関係が長期化するにつれて見返りや承認を期待しなくなり、無償の愛と優しさを身に着けます。

研究チームは、そこに至るまでの速度が重要であることも突き止め、遅い人ほど関係満足度の低下が急激であると述べました。

いつまでも見返りや損得を気にしているカップルほど、次第に相手への気持ちが冷めていく傾向に。

最後に、研究者たちは「公平さは重要ですが、常に見返りを期待することは、温かさと信頼を静かに壊していく可能性があります。精神的な計算を手放すことは、人間関係を豊かにするのに役立つかもしれません」と結論付けています。

Text by 春野 なつ