アメリカ国務省が国連開発計画の実態に疑念 「本来支援を要する国よりも中国が優先されている」

画像はイメージ(Tomas Roggero / Flickr

国務省国際機関局が、「中国は途上国ではない」と指摘し支援する必要性に疑問を投げかけています。

【動画】アメリカ国務省「中国はもはや途上国ではない」

国連開発計画で中国が優先されている現状

2025年8月28日、アメリカ大使館は国務省国際機関局の次のポストを日本語で発信しました。

「中国はもはや途上国ではありません。

したがって、今週、われわれは中国への資源配分に対して異議を唱えました。

世界第2位の経済大国であり、国連における第2位の分担金拠出国である中国が、本来支援を要する途上国よりも優先される現状に、深い失望を感じています。

国連開発計画は、支援を最も必要とする現場に注力することが求められます」

中国が「国連における第2位の分担金拠出国」であるという点です。

国連の通常予算(Regular Budget)に関して、2025年時点で中国は約20.0%の分担割合を占めており、アメリカに次ぐ第2位だったと報告されています。

一方、2023年の額としては中国の拠出が約4億4620万ドル(約12.4%)で、日本(約2億5310万ドル/7.1%)やドイツなどを上回って第2位だったとのデータもあります。

国連全体として見た場合、中国は経済大国として責任を果たしている一方で、開発支援は「より支援が必要な国」に重点を置くべきと国務省国際機関局は見解を示したのです。

Text by 浅田 一