遺伝子解析で判明 ポリネシアで新種のクマノミを発見
画像はイメージ(BEDO (Thailand) / Wikipedia Commons )
フランス領ポリネシアで新種のクマノミが発見され、「ポリネシア・クマノミ(Amphiprion maohiensis)」として発表されました。
成果は国際学術誌『Zookeys』に掲載されています。
新種のクマノミ
研究によると、この魚は従来「オレンジフィン・クマノミ」とされてきましたが、形態や遺伝子解析の結果、別種であることが確認されました。
オレンジフィン・クマノミはインド太平洋に広く分布。
尾びれの色に地域差があり、西部では白い尾が多いのに対し、フランス領ポリネシアではオレンジ色の尾しか確認されていません。
研究チームが形態測定、DNA解析、さらに全ゲノム比較を組み合わせて調べた結果、フランス領ポリネシアの個体群が独立した進化系統であることが明らかになりました。
特にDNA解析では、西部と東部で明確に異なる3つのグループが確認されました。
フランス領ポリネシアの個体は他地域のものと大きく異なり、近縁種以上の違いがあることが判明。
さらに、遺伝子全体の比較や体の形の特徴からも、ポリネシアとミクロネシアの個体がはっきり分かれることが裏付けられました。
新種「ポリネシア・クマノミ」は、フランス領ポリネシアのモーレア島オプノフで最初に記録された個体を基準としており、主にイソギンチャクの一種であるセンジュイソギンチャクと共生しています。
体色は淡いオレンジから黄色で、体に2本の白から青白い帯を持ち、全てのひれがオレンジ色であることが特徴です。学名のマオヒエンシス(maohiensis)は、現地語「マオヒ(ma’ohi=先住民、土地に属する)」に由来しています。
研究者は「今回の成果は複数の証拠を組み合わせたもので、今後さらに地域ごとの個体群について詳細な比較研究を進めたい」と述べています。
一方、ネット上では「遺伝子や写真の比較が中心で、形態の記載がやや不足しているのでは」といった懐疑的な意見もあがっていました。




