世界でまだ34例! 中国で見つかったキノコの仲間
画像はイメージ(Cahroi / Flickr )
中国・雲南省で、色鮮やかなキノコの仲間「クロロシボリア属(Chlorociboria)」に属する新種の菌類4種が発見されました。
学術誌『MycoKeys』に詳細が掲載されています。
中国で新種のキノコ
研究を行ったのは、中国科学院昆明植物研究所のチームです。
クロロシボリア属は青緑色の色素「キシリンデイン(xylindein)」を生産することで知られ、古くは装飾木材の染色にも用いられてきました。
今回の発見は、中国における同属の多様性を示すとともに、分類学的研究の形態的・分子的基盤を提供する重要な成果と位置づけられています。
新たに記載されたのは、アイラオシボリア(Chlorociboria ailaoensis)、バンナシボリア(C. bannaensis)、ラオジュンシボリア(C. laojunensis)、ユーロンシボリア(C. yulongensis)の4種です。
いずれも雲南省各地の森林内にある朽ち木から採取されました。
アイラオシボリアは、標高2,430mのアイラオ山で発見。
青から濃い青色の小型キノコで、表面には細かな毛のような菌糸、内部には枝分かれした糸状構造があります。
胞子は細長い楕円形が特徴です。
バンナシボリアは、シーサンパンナの標高665m地点で採取。
淡い緑色の柄に、表面はふわふわとした菌糸に覆われています。
黒い柄の上に平たい傘状の構造が見られ、胞子は丸みを帯びた楕円形。
メルツァー試薬による青変は確認されませんでした。
ラオジュンシボリアは、標高3,825mのラオジュン山で確認されました。
淡青色の傘と、濃い青色の裏面を持ち、全体に細かい毛のような菌糸をまとっています。
胞子はやや大きめの細長い形で、内部の糸状構造は中ほどから枝分かれします。
ユーロンシボリアは、麗江・ユーロン雪山(玉龍雪山)の標高2,330mで発見。
オリーブ色から黒色の傘に、白い柄、表面に毛羽立った菌糸を生やしています。
内部構造が枝分かれしており、胞子は楕円形もしくは腎臓形なのが特徴。
こちらも試薬による青変は見られませんでした。
クロロシボリア属は世界的に分布するものの、これまでに記載された種は34種にとどまっており、今回の発見は同属の分類学的理解を深める上でも貴重な知見だということです。
この発見にSNS上では、「とってもためになる知識だ」「素晴らしい」といった称賛の声のほか、「雲南省なら、あと400個くらい見つけても驚かないね」「芸術的なセンスをもった菌類だ」といった関心が広がっていました。




