南米で見つかった新種のピラニア 観察された個体数は「ごくわずか」

画像はイメージ(Jim, the Photographer / Flickr

南米ボリビア北部の川で、白い目と鋭い歯を特徴とする新種のピラニアが発見されました。

【画像】「生態の詳細は不明」南米で見つかった新種のピラニア

国際学術誌『Journal of Ichthyology』に詳細が掲載されています。

新種のピラニアを発見

新種が見つかったのは、アマゾン川の支流であるマデイラ川の上流域にあたるボリビア側の流域です。

研究チームは2001年から2012年にかけて現地調査を行い、これまで知られていた種類とは少し異なる特徴を持つピラニアに何度か遭遇しました。

新種に認定された魚は、「カステリョン・ピラニア(Serrasalmus castellonae)」と命名。

体長は最大で約18cm、体は扁平で銀色をしており、背中にはうっすらと黄色味がかかり、小さな斑点が点在します。

尾びれと背びれのふちには黒い縁取りがあり、少し上を向いた口には三つ又の鋭い歯が並んでいます。

目は白く、独特な印象を持つ魚です。

このカステリョン・ピラニアは、見た目がよく似ている「セラサルムス・コンプレッスス(Serrasalmus compressus)」と混同されやすいものの、体の厚みや模様の配置などに明確な違いが見られます。

加えて、DNA配列の解析でも近縁種との差異が確認され、新種であることを裏づける結果に。

また、「セラサルムス・マガラネシ(Serrasalmus magallanesi)」とは外見・遺伝の両面で近縁関係にあるとも紹介されています。

この魚は、流れの穏やかな小川やラグーンで確認されており、観察された個体数はごくわずか。

生態の詳細は不明ながら、小魚や甲殻類、果実や種子まで幅広く食べることから、川の生態系を支える重要な存在とされています。

この発見には、「すばらしい、またひとつ“噛むテトラ(観賞魚)”が増えたね」とユーモアを交えた声や、「ありがとうございます」と研究者への感謝を伝えるコメントなど、さまざまな反応が寄せられていました。

Text by 本間才子