「絶滅危惧種指定の検討を」 フィジーの海に新種のアカエイを発見

画像はイメージ(Flicker/ Jean Ogden Just Chaos Photography

フィジーの海において、新たに1種のアカエイが正式に新種として記載されました。

【画像】「仮面のような模様が特徴」保護対策も検討中の新種アカエイ

この成果は、学術誌『Journal of Fish Biology』に掲載されています。

フィジー諸島固有種の可能性も

今回新たに記載されたのは、「フィジー・マスクレイ(Neotrygon romeoi)」というアカエイの一種です。

従来は「アオヒトデエイ」や「カレドニアン・マスクレイ」と同じ種と考えられてきましたが、DNA解析の結果、見た目はよく似ていても、別の種であることが明らかになりました。

この種は体が比較的大きく、顔の部分に“仮面”のような黒い模様を持っています。

体色は茶褐色で、仮面部には黒コショウのような小さな黒点が密集し、さらに青白く縁取られた斑点が散らばるのも特徴です。

背中にはトゲ状の突起が並び、吻(ふん)は幅広く角張っていることから、これらの形状も分類の手がかりになっているといいます。

発見された個体は、地元の漁師や市場を通じて入手された9標本で、いずれもフィジーのビティレブ島沿岸に分布していました。

生息域は水深約23m以深の海草藻場、砂地、サンゴ礁で、単独で行動することが多いものの、稀に小集団でも確認されているといいます。

この種は現在のところフィジー諸島でしか確認されておらず、漁獲頻度が高く、生活史がほとんど不明であることから、研究者らはフィジーの「絶滅危惧および保護種法」への指定が検討されるべきであると指摘しています。

Text by 本間才子