「博物館の化石から”王子”登場?」 ティラノサウルスの起源に迫る新種恐竜
画像はイメージ(Flicker/ Tim Evanson)
インド・カルガリー大学の研究チームが、モンゴルの博物館に保管されていた化石標本を分析した結果、ティラノサウルス類の祖先にあたる新種の恐竜を発見しました。
【動画】「進化的飛躍の証拠に」発見されたティラノサウルス類の新種
この成果は、科学誌「Nature」に掲載されています。
大きさはティラノサウルスの約8分の1
研究対象となったのは、1970年代にモンゴルで発掘され、長らく既知の種「アレクトロサウルス」として分類されていた部分的な骨格2体です。
今回の再分析により、これらの化石がティラノサウルス類の進化における重要な位置を占める新種であることが明らかになりました。
研究者らはこの新種を「カンクールー・モンゴリエンシス(Khankhuuluu mongoliensis)」と命名し、その意味を「モンゴルの龍の王子」と説明しています。
研究チームによると、「カンクールー」は約8,600万年前に生息しており、体重は約750kgと推定されています。
これは成体のティラノサウルス(約6t)の8分の1に相当し、骨格にはティラノサウルス類に特徴的な強力な咬合力に関わる鼻骨の構造が見られ、巨大肉食恐竜への進化の過程を示す中間型として注目されています。
研究を主導した博士課程のジャレッド・ヴォリスさんは、「初期のティラノサウルス類は小型で、より大型の捕食者の影に隠れて生きていたが、この新種はその後の進化的飛躍を示す証拠だ」と述べています。
また、当時のユーラシア大陸と北アメリカ大陸は陸橋でつながっており、ティラノサウルス類がこのルートを通じて移動し、異なる地域で独自の進化を遂げたことも示唆されています。
カルガリー大学のダーラ・ゼレニツキー教授は、「ティラノサウルスが“王”になる前、彼らは“王子”だった。今回の発見はその進化の物語を語る上で欠かせない」と話しています。
この成果に対しネット上では、「恐竜なんて実在しないよ」といった懐疑的な声のほか、「T.レックスの祖先が“王様サイズ”ではなく“馬サイズ”だった?」「なんだか可愛くて親しみやすそうに見える」といった、驚きやユーモア、親しみを込めたコメントも寄せられています。




