養殖イカにはいない? 自然海域のみに潜む2種のサナダムシ発見
画像はイメージ(Flicker/ David Pursehouse )
沖縄近海で採取された野生のアオリイカの体内から、これまで知られていなかった2種類のサナダムシが新たに発見されました。
【動画】アオリイカの中にサナダムシ?発見された“未知の生命”
この発見は、国際学術誌『Journal of Invertebrate Pathology』に掲載されています。
養殖のイカからは確認されず
研究を行ったのは、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の物理生物学ユニットのチーム。
発見されたうち1種は新種と認定され、学名として「Nybelinia enterika(ニベリニア・エンテリカ)」と命名されました。
腸を意味する「enter」と、宿主であるイカを表す日本語「ika」を組み合わせた造語で、同チームは和名に「イカチュウチュウ」を提案しているということです。
もう1種はPhoreiobothrium(フォレイオボスリウム)属に分類される未記載種で、どちらの寄生虫もアオリイカを中間宿主とすることが明らかになりました。
沖縄沿岸のアオリイカを対象に行われたこの調査では、胃と腸からサナダムシの幼生を検出。
これらは消化管の内壁に限って存在し、他の臓器では確認されませんでした。
チームは、寄生虫がイカの免疫から排除されないよう、その働きを妨げる酵素を出している可能性があると見ています。
こうした解明は、寄生の仕組みや海洋生態系における生物間の関係を理解するうえで重要な手がかりとなると考えられています。
これらの寄生虫は全て自然の海で獲れた野生のイカから見つかっており、養殖されたイカでは確認されていません。
OISTの研究者であるルツィア・ジフチャコヴァ博士は、「これらの寄生虫が人間に直接的な健康被害を及ぼすかは不明だが、イカの組織を分解する酵素がアレルギー反応を引き起こす可能性はある」と述べています。
この新種の発見にネット上では、「イカした名前だ」「人に寄生するんだろうか?」「サナダムシって久しぶりに聞いた」「天敵のない環境に住み着く!すごい戦略」といった声が寄せられました。




