7000万年の時を超え発見されたシーラカンス 調査チームが撮影に成功
画像はイメージ(Flicker/ Todd Huffman)
インドネシア東部・マルク諸島の海域で、約7,000万年前に絶滅したと考えられていたシーラカンスの一種がダイバーによって撮影されました。
その詳細が、スイスの時計ブランド「Blancpain(ブランパン)」が運営する国際的な海洋調査チームのウェブサイト「Blancpain Ocean Commitment」に記載されています。
古生代から姿を変えずに生き続けてきた深海魚
撮影に成功したのは、インドネシアに生息するラティメリア・メナドエンシス(Latimeria menadoensis)とされ、水深145mでカメラに収められたものです。
この魚は、古生代から姿を変えずに生き続けてきた肉鰭類(にくきるい)で、「生きた化石」や「恐竜魚」としても知られています。
水深120〜700mに生息し、手足のような鰭と退化した肺を持っており、胎生で寿命は最大100年とされています。
現地では「ラジャ・ラウト(海の王)」の名で親しまれ、地元の漁民の間でも語り継がれてきました。
同調査を率いる海洋生物学者アレクシス・シャピュイ氏によれば、シーラカンスの発見は確約されていたわけではなく、生息の可能性がある場所を探索して偶然たどり着いた成果でした。
「こうした探索に長期的な支援を得るのは難しい」と、その苦労も語っています。
これまでに確認されているシーラカンスは、アフリカ沿岸のラティメリア・チャルムナエと、インドネシア沿岸のラティメリア・メナドエンシスの2種で、今回の発見は後者の生息域を新たに示すものとなりました。
シーラカンスはIUCNのレッドリストで、アフリカ種が「絶滅寸前」、インドネシア種が「危急種」に指定されており、発見場所は生態系への影響を避けるため公表されていません。
この発見に対しては、「本当に素晴らしい」「広い海で発見されて映像にまで収められたんだから。よくやったよ」といった驚きや称賛の声が。
ほかにも「ブランパンの支援がなければ実現しなかっただろう」と感謝を示すコメントもある一方で、「そのうち“蒸しシーラカンス”がメニューに載るのでは」といったユーモアを交えた懸念の声も上がっています。




