中国人観光客の“充電”を非難 浮き彫りとなった「文化の違い」

画像はイメージ(Flicker/ haru__q

日本人インフルエンサーが、中国人観光客を「電気泥棒」と非難したSNS投稿が、海外で波紋を広げています。

【画像】「郷に入っては郷に従えでは?」絵馬に書かれていた中国語の落書き

この件は、香港メディア「South China Morning Post」が報道しています。

公共施設で充電していた外国人

渦中の人物は、元迷惑系ユーチューバーのへずまりゅうさん。

「奈良の鹿を守る会」と称する団体を設立し、外国人観光客の行動を監視・撮影し、その様子をYouTubeやTikTokなどに投稿しています。

問題の投稿では、1人の中国人観光客が公共施設でコンセントを利用して充電している姿を撮影し、「電気泥棒」と記載。

強い非難の言葉を投げかけていました。

日本のユーザーからは、「ルールを守らないのが悪い」「テープが貼ってある時点で使うべきでない」といった擁護の声が上がる一方で、「露骨に中国人だけを狙っている」「不快感を煽る表現だ」とする批判的な意見も見られました。

South China Morning Postはこの件について、「中国人を頻繁に挑発する“扇動的な”インフルエンサーの、非常に不快な投稿が非難されている」と紹介。

投稿が特定の国籍を標的にしているとの批判も取り上げており、読者によってはそうした解釈を促されるようにも受け取れる姿勢がうかがえます。

ネット上では、「マレーシアでは充電は普通です」「アメリカでもジムやレストランで充電してるよ」「公共コンセントは公共のためじゃないの?」といった、公共での充電行為を肯定する声が多数。

一方で、「郷に入っては郷に従えでは?」「公共の場にあるからといって誰でも使っていいわけじゃない。日本では“使わない善意”が前提になっている」とする意見も見られ、文化的価値観の違いが浮き彫りになっています。

Text by 本間才子