「確認されたのはたった50株未満」 沖縄島で貴重な新種植物を発見
画像はイメージ(Flicker/ Jennifer C.)
沖縄美ら島財団と東北大学などの研究チームが沖縄島で、寒冷地に見られる新種の植物を発見しました。
【画像】「沖縄の森にひっそりと咲く新種」やんばる地域の特有種「ヤンバルカラマツ」
この研究成果は、植物分類学の専門誌「Phytotaxa」に掲載されています。
チームは「緊急の保全対策が必要」
同チームは、沖縄島北部のやんばる地域で見つかったこの植物と、日本や台湾に分布する近縁のカラマツソウ属の植物を比較しました。
今回確認された新種の植物は、他のアキカラマツと比べ根がふっくらと太く、花の中にある糸のような部分(花糸)が棒のように太く丸みを帯びているといった、目立った形の特徴がありました。
これらの形は、一般的なアキカラマツに見られる細く長い根や花糸とは明確に異なっていました。
またDNA解析の結果、この植物は、台湾のみに生育するタカサゴカラマツという別の植物と近い関係にあることも分かりました。
もともと「カラマツソウ属」とはキンポウゲ科の多年草で、針葉樹の「カラマツ」とはまったく別の植物です。
しかし葉の形が針葉樹のカラマツに似ているほか、やんばる特有種ということが判明したため、土地名にちなみ「ヤンバルカラマツ(Thalictrum yambaruense)」と命名されました。
現在確認されている自生地は1ヶ所のみで、個体数も50未満と見られていることから、早急な保全対策が求められるということです。
さらに今回の研究では、鹿児島県・屋久島にのみ生育が確認されている「T. tuberiferum var. yakusimense(ヤクシマカラマツの一変種)」についても調査を実施。
その結果、この植物は従来分類されていた「T. tuberiferum(ツルカラマツ)」とは遺伝子の特徴が明確に異なっており、別の独立した種として扱うのが適切であると考えられるようになりました。
研究チームは、この変種を「T. yakusimense(ヤクシマカラマツ)」という新たな独立種として、正式に分類することを提案しています。
この発見に世間では、「沖縄ではほのぼのとして、新鮮」「まだまだ新種の生物がいます。自然を荒らさないでほしい」「見た目もかわいいね。生息する渓流の環境も守っていかなきゃね」といった声が寄せられていました。




