ヒョウサイズの最古の肉食獣「バステトドン」 エジプト神話になぞられた新発見
画像はイメージ(Flicker/ Spixey )
エジプト・ファユーム盆地で、およそ3000万年前に生息していた新種の肉食哺乳類の頭蓋骨が発見されました。
【動画】「まるでチーターと犬とネズミを掛け合わせたみたい」新種の肉食哺乳類の頭蓋骨
この成果は、学術誌『Journal of Vertebrate Paleontology』に掲載されました。
エジプトで新種の頭蓋骨
発見されたのは、「バステトドン・セクメトイ」と名付けられた新属・新種の絶滅哺乳類で、当時のアフリカの森林で頂点捕食者として君臨していたと考えられています。
体の大きさはヒョウほどで、鋭い歯と頑丈なアゴをもち、初期のゾウや霊長類などを捕らえていた可能性があります。
現在では絶滅した「ハエノドン類」に属し、現代のライオンやハイエナとは異なる進化系統にある動物です。
この動物の属名「バステトドン」は、古代エジプトの女神バステト(猫の姿で知られる守護神)にちなんで名づけられました。
また、種小名「セクメトイ」はエジプト神話の戦いの女神セクメトにちなんでいます。
守護と穏やかさを象徴しつつも、その内に獰猛さを秘めた女神のイメージが、この動物の印象と重ねられた命名とされています。
頭蓋骨は非常に良好な状態で発見され、歯列や咬合面の分析から、獲物を丸ごと噛み砕いていた形跡も確認されました。
発見地のファユーム盆地は、現在は砂漠ですが、当時は森林が広がり、多くの哺乳類が生息していたとされます。
研究チームのショルーク・アル・アシュカー氏は、「バステトドンの発見は、ハエノドン類の多様性や進化、そしてその地理的な広がりを理解するうえで、大きな成果です」と述べています。
この新種の発見に、ネット上ではさまざまな反応が寄せられています。
「まるでチーターと犬とネズミを掛け合わせたみたいだ」とユーモラスに例えるコメントも。
一方で、「丸い小さな耳が寒冷地への適応を示しているように見える。当時そこに寒帯林があったの?」といった声や「3000万年前?本当にそんな数字を正確に出せるの?」と、生存時期の推定そのものに懐疑的な声も上がっています。




