頭の骨から超音波まで… 調査チームが突き止めた「未知のコウモリの正体」

画像はイメージ(Flicker/ Steve Brace

スリランカで、新種のコウモリが発見されました。学名は「ヒッポシデロス・スリランカエンシス」と名付けられています。

【画像】スリランカ産コウモリの系統再評価で新発見されたコウモリ

この発見は、学術誌「Zootaxa」に掲載されています。

スリランカで見つかった新種のコウモリ

発見したのは、インド・オスマニア大学のバルガヴィ・スリニヴァサル氏らの研究チーム。  

インド、スリランカ、タイを対象に、10年以上にわたる調査を続けてきた中での成果でした。

この新種のコウモリは、広い鼻葉(ノーズリーフ)や独特な耳の形、さらに頭骨の構造において、これまで知られている近縁種と明確に異なる特徴を持っています。

今回の研究では、形態の比較だけでなく、骨の構造、遺伝子解析、エコーロケーション(超音波による音声解析)を組み合わせることで、これらのコウモリがそれぞれ独立した種であることが多角的に裏付けられました。

この研究でもっとも明確になったのは、これまで既知の種と考えられていた「ヒッポシデロス・ガレリトゥス」系統を再評価する過程で、新種の存在が明らかになったことです。  

また、同時に、別のコウモリである「ヒッポシデロス・ブラキオトゥス」が、インド固有の独立した種であることも判明しました。

さらに、ヒッポシデロス・ガレリトゥス系統には、まだ記載されていない隠れた多様性が存在する可能性が高いことも示唆されています。

プロジェクトメンバーであるスリニヴァスル教授は、「10年以上にわたる粘り強い研究の成果だ」と振り返り、今回の発見が長年の努力にふさわしい重要な成果であることを強調しました。

新種のコウモリ発見というニュースに世間では、「余計なお土産を持っていなければいいんですが」「できればパンデミックはご勘弁を」といった不安や関心の声があがっていました。

Text by 本間才子