観察できた個体数は世界で62例 クモの巣に潜む異色の新種イモムシ
画像はイメージ(Flicker/ David Short)
ハワイ・オアフ島の山地で、驚くべき生態を見せる新種のイモムシが発見されました。
この発見は、米国科学誌「Science」に掲載されています。
名前の由来は連続殺人犯を描いた小説
このイモムシは「ボーンコレクター」という異名で呼ばれ、クモの巣に住みつき、その上を這って巣にかかった昆虫を盗み食い。
さらにその残骸を身に纏うほか、それらの頭部や羽などを自らのシルクケースに取り込んで、外敵やクモから目立たないようカモフラージュしています。
ハワイに生息する他のシルクケースを製作するイモムシの仲間とは異なり、獲物の遺骸を取り込むという特異な手法を発展させた唯一の例だといいます。
この通称は、研究チームを率いたダニエル・ルビノフ教授によって名付けられました。
捕食した昆虫の残骸をまとって生活する様子が、連続殺人犯を描いた小説『ボーン・コレクター』を想起させることに由来しているそうです。
ハワイ大学マノア校の研究チームは、この新種の生態を明らかにするために20年以上にわたる調査を実施。
観察された個体はわずか62例にとどまり、きわめて珍しい存在とされています。
研究チームによると、ボーンコレクターの祖先は600万年以上前に遡り、ハワイ諸島そのものが形成されるよりも前から存在していた可能性があるのだとか。
生息地は現在、外来種の影響を受けにくい孤立した山岳地帯に限られており、このユニークなイモムシの保護の必要性も訴えています。
このイモムシの発見に世間では、「孵化したら何に変身するのだろう?」「まるでファンタジーの世界だ」「2025年になっても奇妙な新種が、有名な島で見つかったのは驚きだ」といったさまざまな声が上がっています。




