「歌舞伎役者そっくり」 沖縄で見つかった型破りな新種のエビ
画像はイメージ(Flicker/ William Warby )
沖縄県・伊江島沖でドウケツエビ属の新種が発見され、ユニークな名前が付けられました。
この発見は、学術誌「Zootaxa」に掲載されています。
他のエビには見られない特徴も
このエビは2014年に行われた深海調査で採集され、沖縄本島北西に位置する伊江島周辺、水深286mの地点で発見されました。
標本はオスの1個体で、袋状のツノサンゴの内部に雌雄ペアで暮らしており、頭の先にある「額角(がくかく)」と呼ばれる突起が、まるで細長い槍のように前方へ突き出しています。
その根元には、口を開けたような半円形の切れこみがあり、その奥には鋭い大きなトゲが隠れるように伸びています。
まるで槍の根元に刃を仕込んだような、インパクトのあるシルエットです。
また、眼柄の付け根には小さな突起があり、第4・第5脚には鋭いトゲ状の毛が二列に並ぶなど、他の種には見られない特徴も。
ドウケツエビ属は、これまで全種が深海のガラス海綿と共生するとされてきましたが、本種はツノサンゴ類と暮らしており、従来の常識を覆す存在です。
このエビの型破りな生態が「傾奇者(かぶきもの)」を連想させることや、体に走る赤い模様が歌舞伎役者の化粧を思わせることから「スホンジコラ・カブキ」と命名。
これでドウケツエビ属の仲間は、世界で13種になりました。
この発見には、「白目と黒目があるように見えて不思議」「なんだか美味しそうで食材っぽい」「歌舞伎にちなんだ新種というのがいかにも日本らしい」といった、多彩な声が寄せられています。




