ビーチを覆った大量の謎の生き物 「触った後に目や顔をこすらないで」

画像はイメージ(Flicker/ Natasha de Vere

最近、カリフォルニア州のサンフランシスコ湾岸地域の複数のビーチに、数千もの青い半透明の海洋生物が打ち上げられています。

【画像】「この大量の生き物はなんなのか」ビーチに打ち上げられた数千もの海洋生物

ビーチを覆う謎の生き物

これらは「風まかせの船乗り」を意味するカツオノカンムリ(Velella velella)という生物です。

見た目はクラゲに似ています。

カツオノカンムリは、長さ約10cmほどの群体生物で、個々の個体が集まって一つの群体を形成しています。

また、海面に浮かぶ小さな帆を持ち、風を利用して移動する習性があるそうです。

カリフォルニアのグレーター・ファラローンズ国立海洋保護区の教育スペシャリスト、ジェニファー・ストック氏がSFGateに語ったところによると、通常は外洋に生息していますが、春から初夏にかけての強い風や海流の変化によって、大量に海岸に打ち上げられることがあるのだとか。

この現象は、深海から栄養豊富な冷たい水が上昇する季節的な現象の海洋の湧昇(ゆうしょう)と関連付けられています。

​湧昇は春から初夏にかけて西海岸で発生し、海洋の風や海流のパターンに変化をもたらします。​

これにより、カツオノカンムリが沿岸に押し寄せることがあるそうです。 ​

今後も高気圧システムの変化により、さらなるカツオノカンムリの漂着が予想されているとか。 ​

カツオノカンムリは人に対してはそれほど毒性を持ってはいないそうです。

刺されると少し痛みを感じる程度ですが、犬には有害。

人が触れた後も、顔や目をこすらないよう注意が必要だと専門家は忠告を促しています。

Text by 都築ミロ